荘厳なる少女マグロ と 運動会
他で
様々が
動き、
”それぞれ”
が主張する。
ただ、
それらは…――
「無い」
――という事を……
――”同じ”
――面を………
見せる事が……――
「在る」。
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<観客>…
――”重力スケートファン”……
という………――
連続体。
ひとつ
ひとつ
個が
在る。
ただ、
巨人の
オーガン
の中……――
「無い」
――ものを
含む
ひとつの
集合。
観察者の
集合体…
――連続体……
としての………――
<”観客”>。
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"蜘蛛宇宙人" が
先に
動く。
ただ
言葉無く……――
「geste」。
指す。
「sign」
――の意味は…
「先に
行け」。
「独りで
行け!」
命令。
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"マグロ" は
理解していた。
"マグロ" は
スペースリンクを
見た。
"マグロ" が
向かうべき
場所。
起こすべき
場所。
スペースは
<空虚>
に見えた。
”場”
には……――
設定が在る。
属性が在る。
基礎が在る。
そして………――
様々な
要素が
満ちていた。
ただ……――
何も
無かった。
ただ…――
整っていた。
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"マグロ" は
”自身が
プログラムを
展開させる
事になる
リンク”
から
焦点を
移転させた。
次の
焦点範囲に
"蜘蛛宇宙人" は
入っていない。
入る事は
無い。
"マグロ" が
見るものは、
近傍の……――
点。
二つの
ボール。
”重力ストーン”。
トワレッに
籠る前に
保管プレイスから
取り出してきた………――
"マグロ" 自身の
所有物。
跳ぶ為の
基盤……――
飛ぶ為の
道具。
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"マグロ" は
掴んだ。
"マグロ" は
上げた。
"マグロ" は
抱いた。
二つを
胸に
押し当てた。
それは…――
"マグロの姉" が
"理事" を
抱くようでは
無かった。
”失ったと
思っていた
大切な宝物”が
見つかった時
の様では
無かった。
飼い主を
失った
哀れな犬を
抱くようでは
無かった。
傷だらけの球を
抱く
"マグロ" は
将に……――
<熾烈な戦いを
勝ち抜いた
剣闘士が………
――治療が
――間に合わず……
化膿の
点在する
腕の中、
”肉を
切りすぎて
鈍くなっている
自身の武器…
――終えた筈の
――前のフェーズで
――得た
――赤が
――依然として
――滴る
――それ……”
を抱きながら、
自身が
終わるだろう
次へと
繋がる
通路に
立ち、
最期を
待つ>
――様。
人工的な
異質を
自身の一部
として
含めようと
する………――
トライ。
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ただ……――
胸に
抱かれた
二つの
それは
"マグロ" の
一部では
無かった…――
未だ。
それは
一部
となるが……
――その時点では………
一部
ではない。
ただ
一部では
無いから
といって、
そこに
あるモノは……――
「3」
――ではない。
他からは
含まれている様に
見える事が
あるが…――
そうではない。
密着しているが、
ペリフェリは……
――明確に………
分断されていた。
※それは
"蜘蛛宇宙人" の
ベルトとも
異なる。
それは
既に
"マグロ" の
一部
であるから。
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そして……
二つの石を
抱きながら…
――二つの点と……
――分離したまま………
"マグロ" が
歩き出す……――
原始的再帰性を
否定する為に。
反復を通じて…――
反復するだけでは
生まれ得ないモノを
生む為に。
意図は
無い……――
ただ
そう
成る。
そこには
意思が
在る。
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