荘厳なる少女マグロ と 運動会
"蜘蛛宇宙人" は
小枝を
差し出した。
"蜘蛛宇宙人":
「欲しい?…――
なら、
あげるよ!
どうぞ!!
ボク、
ケチじゃないから
あげる!!!」
枝は、
"蜘蛛宇宙人" の手の上に
在る。
”クローンである
"蜘蛛宇宙人"”と、
”クローンではない
"マグロ"”の……
――ちょうど………
中間に
在る。
"蜘蛛宇宙人":
「探せば
いくらでも
あるし」
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"蜘蛛宇宙人":
「別に
これは
特別なモノじゃ
ないよ。
ゲンショー [現象] と
”同じ”位、
どこにでも
あるもの」
―――――――――――――――――――――――――
"蜘蛛宇宙人":
「効果は
あるよ。
これ……――
原始人の生理の人が
クツーカンワ [苦痛緩和] の為に
利用してた時代も
あったし。
今も
成分表を
見れば…
――検索すれば……
”要素”
たくさん
あるし。
他の成分も………
――少量フクヨー [服用]
――程度なら
――そんなに……
体を
害するものじゃ
ない。
ただ…――
これは、
フツー [普通] の
シロモノ [代物]
じゃないけどね。
そこら辺の
シハン [市販] のものじゃなくて……――
<ニクタイキョーカ [肉体強化]>
の為に………
――特別に……
アップデート
されてるから」
―――――――――――――――――――――――――
"蜘蛛宇宙人":
「ここら辺に
いる人で
これを
持っている人なんか
いないよ。
高いし…――
シジョー [市場] に
出回って
利益が
出るモノじゃ
ないから。
けど……――
キホンテキ [基本的] には
そこら辺にあるのと
”同じ”
ものだよ。
テストで
引っかかる事は
ないよ。
試合に
出られなくなる事は
ないよ。
許可登録ナンバー………――
『18』
――を
ケンサク [検索] すれば
わかる。
『17』
――は……
――今でも…
揺らいでるけど、
その次の
これは
無いよ。
問題
無いよ!!」
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"蜘蛛宇宙人":
「ていうか……――
”重力スケート”
の歴史で、
これの使用が
問題に
なった事は
無い。
ほとんど
無視されてきたし。
だから
危険は
無いと
思うよ………――
絶対では
ないけどね。
確率的には、
その数の
一千分の……――
<一位>」
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"蜘蛛宇宙人":
「昔は
これを
使う時は、
電気を…――
「patch!」
――って
流さなきゃ
ならなかったらしいけど、
その必要も……
――もう………
無い。
ただ
撮んで、
飲み込めば
”良い”……――
それだけ。
簡単な
お仕事でしょ?…――
ネスパ!!?」
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"蜘蛛宇宙人":
「『極』
――って……
飲むだけ。
それだけ。
それだけで
苦しく
なくなるんだよ!!!?」
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"蜘蛛宇宙人":
「欲しい?
あげようか?
上げようか!!?
ボクは
もう
使わないから。
お父さんが
ボクに………――
『飲みなさい!』
――って
命令するから
飲んでたけど、
ボクは
もう
飲まないから。
頭
”悪い”
人の
言う事なんて
聞かないから。
それに、
ボクが
本当に
使いたかったら……
――こんな程度の
――イッパン [一般] レベル
――じゃなくて…
もっと
自分に合った
配合に
するから。
作り直すから!!
それに……――
ボクが
これから
やる事に、
これ [枝] は
関係ない!!!
ボクの能力は、
こんなので
<上げる>
必要は
ないもの!!
ボクに
必要なものは、
ボク自身の
努力………――
イシ [意思]!
イシ [意志]!!
イシ [ici]!!!」
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自由な手の
人差し指、
その先を……
――自身の…
蟀谷に
当てる……――
手全体を
使って
”古代社会で
利用されていた
<銃>”
を形作りながら。
西洋的な………――
「self」
――を
已む。
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