荘厳なる少女マグロ と 運動会
「cursus」
――笑う。
無表情では
なかった。
その人物は、
笑みを
投げかけていた。
「fun!」
"怪人" のものと
”同じ”
であるが…――
違った
笑い。
ただ――見つめるだけ。
そして……――
見つめられていた。
”同じ”
目線で………――
水準で。
"蜘蛛宇宙人":
「あ、
言い方が
気に食わないなら、
気に食わなくても
構わない
ですよ……――」
動かない。
"蜘蛛宇宙人":
「――実際…
ボク、
君の事、
馬鹿にしている事に
変わりは
ないんだから!!
頭が
”悪い”
んだから!!!
頭が
”悪い”
から、
止めようと
してるんでしょ?……――
出来るのに。
出来るのに!!
こっちには
わかってるんだから!」
素顔。
―――――――――――――――――――――――――
歓声の中………――
残酷。
響かない……――
現実。
モブは
誰も
見ない…――
誰も
聞かない。
「loin」
――を
まっすぐ
見つめる
少年が
”場”に
存在する事に
気を掛けない。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ":
《キモチワルイ……》
ただ、
"マグロ" は
見ていた………――
”母親”
のいない子供。
クローン。
数珠繋ぎの中
ひとつ、
水が
主成分である……――
「baca」
――が
落ちる。
皮膚に沿って。
拭われない…――
直線。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ" は
見る……――
可哀想な
”動物”。
自分とは
異なる
”人間”。
「不信」
そして………――
差異を
見ない。
襟元を
見ない。
「étoile」
――を捨てた
”人間”
を見ない。
理解しない。
残酷ばかり
”感情的”
に受け止めて、
ベルトの輝きに
目線を
行かせない……――
活かせない。
だから…――
"マグロ":
「……出番
じゃないんですか?」
繰り返し。
要は………――
「他人の事に
かまけてないで
自分の事を
しろ!!」
シュヴィメン場で
行った事。
"蜘蛛宇宙人" は
していないのではなく、
将に
<行っている>
という事を
理解しない。
そして……――
繰り返す。
「ボクの…
――あたしの……
気持なんか
わからない!!!」
ただ………――
見下す者は
気にしない。
シュヴィメンの頃と
違うのだから。
次のレベルに
上がったのだから。
気持など
読まない。
繰り返しながら……――
変化。
"蜘蛛宇宙人":
「前も
言ったよね…――
ボクなんて
<足切り>さ。
そんで……――
予想通り。
これまでも
そうだったし、
これからも
そう。
ボクの
やっている事を
理解できる奴なんか
いないんだから。
この、
<理論の
ショーチョーテキオーヨー
[象徴的応用]>
が見えてる奴なんか
いないよ。
そして
新しい
カルティベイションが
聞こえる奴なんか
いないよ。
ボクはね、
出来るんだ………――
ボクは
跳べるんだ!!
でも……――
受け入れる人なんか
いないんだ。
いないんだよ。
この世で
褒められる事は、
<劣っている事>
なんだから!
馬鹿が
<楽しむ>
事なんだから!!
馬鹿が
<苦しまない>
事なんだから!!!
言い方が
生意気で、
言葉に
かど [角]
があるから…――
減点。
数学と
科学と
人文科学を
用いて
発展させた
技術は、
かど [才]
があるから……――
減点。
七か国語を
使って
話したら、
<外国人>
のザレゴト [戯言] として
かど [廉]
と見られて………――
減点。
わかりづらいから……――
減点。
違う?
そうでしょ?
みんなで
そうである事を
示しているでしょ?
そうなる様に…
――毎日……
働きかけて
いるでしょう?
大昔から
古代社会、
現代と
移り変わっても
変わらない事。
転生される事。
ボクのベルトを
囲むもの。
それは………――
馬鹿セントリックワールド。
違う?」
そして……――
「Kunst!!」。
何も
間違って
いない。




