荘厳なる少女マグロ と 運動会
歩いていた。
"マグロ" は
歩いていた…――
"マグロ":
《行かなきゃ……》
――衣装を
纏いながら。
古語では………――
「コスプレ」
――と呼ばれる……
”状態”。
その者であって
その者ではない。
内と外の関係は…――
”衣装哲学”
――と真逆。
「patch」
――は
その表面に
無い。
「sat」
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美しくなかった……――
「Il fait beau………」。
「晴れ」
――の舞台。
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<特別>……――
シンプルに
その為。
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「costume」
――でありながら…
それでは
無い。
更に……――
古典的
含蓄。
自身は………――
「sillage」。
日常を
歩みながら……――
日常との
乖離。
「consuetudo」
――から
余り…――
――垂れた……
”袖”
――を
畳んで
歩く………――
「sis」
「sis」。
"マグロ":
《行かなきゃ……》
遅れる事は
ないが…――
間に合わない事を
避ける為に。
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急いでいた……――
急ぎ
”過ぎず”。
”場”へと。
<目的>へと。
急ごうが
急ぐまいが、
”同じ”………――
歩みさえ
止めなければ。
「先か」
「否か」
――は
問題ではない
のだから。
徒競走では
ないのだから。
「”場”にて
<目的>
を為すか
どうか?」
――が
問題で
あるのだから。
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焦点に……――
<赤>
――は無い。
「encore」
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「コール」
存在。
召喚であり…――
命令。
従わない事は
可能だ……――
ただ
従う必要が
在った。
”"マグロ" が
為す事”は、
”"蜘蛛宇宙人" が
為す事”と
違うのだから。
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歩く。
接近が
中断する事は
ない。
それは
動かずに
近づいてくる。
ただ………――
動かずにいると
接触せずに
過ぎ去ってしまう。
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聞かずとも
知っていた。
調べれば
確実となるが……――
調べる必要は
無かった。
刻一刻と
動きながら、
動かない…――
「ルール」
――を
見れば、
わかるのだ。
「法」
――以上に
”人間”を……
――人の認識を………
縛る
それ。
"マグロ" の目には、
<予定外の出来事>
は見えなかった為に、
それは
来る……――
「筈」。
自ら
近づいて来る…――
「筈」
――に
自ら
近づきながら、
自身を
恥ずる……――
<女>
――が
歩む。
自身を
否定しながら。
必要のない事を
しながら。
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