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荘厳なる少女マグロ と 運動会

 "母親" は、

 娘の言及について

 すぐに忘れた。




 朝は、

 <やるべき事>

 が多いのだ。




 《多すぎる…》


 のだ。




 家の映像と外の映像を確認すれば

 "マグロ" の言っている事がすぐにわかる筈だが

 ――その時

 ――"母親" は

 

 《しよう》


 とさえ、思わなかった。




 《忙しすぎる》


 のだ。




 そんな、

 家事に

 育児と

 忙しい "母親" は

 ――サロン・ドゥ・バンに向かい……

 ――廊下を歩きながら………

 思い出す。




 戦地に赴任していた頃の事。




 ―――――――――――――――――――――――――




 ハチが飛ぶ……




 ――ハチが飛ぶ。




 ハチが飛ぶ…




 ――音もなく。




 ハチが飛ぶ……




 ――廃墟に入る。




 ハチが飛ぶ………




 ――人肌誘われ




 ハチが飛ぶ。




 ハチが飛ぶ……




 ――温もりを求めて




 ハチが飛ぶ。




 ハチが飛ぶ…




 ――逃げた奴等を追いかけている。




 "母" が言う……




 ――「ターゲットを捉えました」




 "母" が言う………




 ――「即時攻撃に移行します」




 "母" が言う……




 ――「バタリィョン第一は、後方待機!」




 敵が叫ぶ…




 ――「”ABEEあびー”!! ”ABEEあびー”!!!」




 現地語で言う……




 ――「撃て!!」




 ――「撃て!」




 敵の声………




 ――銃声がして




 機関銃のに……




 ――銃声続く。




 ブレット避けて…




 ――ハチが飛ぶ。




 スティング出して……




 ――ハチが飛ぶ。




 ハチが飛ぶ………




 ――目標目指して、まっすぐに。




 一匹落ちる……




 ――二匹落ちる。




 三匹目が…




 「Piss!!」




 ――ハチが死ぬ。




 針を残して……




 ――ハチ落ちる。




 針を残して………




 ――人が崩れた。




 ハチの隣りに……




 ――ヒト横たわる。




 痙攣しながら…




 ――泡を吹く。




 そのまま……




 「パタ」




 「パタ」




 ――続く者。




 続く者。




 最後の一人と………




 ――最後の一匹。




 同時に落ちると……




 ――静まりかえる。




 一方は「0(ゼロ)」




 ――他方は「複数」。




 無音の中に…




 ――足音うまれ




 足音縫って……




 ――ハチが飛ぶ。




 ハチが飛ぶ………




 ――ハチが飛ぶ。




 倒れたヒトが運ばれるまで。




 落ちた仲間が集められるまで。




 ―――――――――――――――――――――――――



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