荘厳なる少女マグロ と 運動会
まとめよう。
"青年の友達" に対する
<ハラスメントの訴え>
そのすべては
公になっていないし、
本人にも
訴えがある事は
知らされていない。
訴えは
調査の結果、
退けられているし、
訴えた者も
退ける事に
同意している。
しかし…――
記録には
残っていた。
"青年の友達" の
公になっていない
<プロフィール>
には、
多くの
訴えの記録が
残っている。
そして……――
記録が
消される事は
ない。
だからこそ………――
"怪人" は
"青年の友達" に
<通報>
させなかったのだ。
"青年の友達" の
<健康状態>
だけが、
理由では
ない。
"青年の友達" の
家族の考え方や
行動だけが、
理由では
ない。
本人が知らない
本人に関する情報に於いて
語りの信憑性が
疑問視される
箇所が
あるのだ。
見える者には見え、
見る事の出来ない者には
わからない事。
過去。
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総合的に見て、
"怪人" は、
<通報者>
という
”出来事の代表”
その役割に、
"青年の友達" は
<相応しくない>と
考えていた。
だからこそ、
より
負うべき
責任の割合が
少ない
<情報提供者>
という役割を
与えたのだった。
ただ……――
"怪人" には
"青年の友達" に
通報させなかった
#もうひとつの理由#
がある。
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話は変わり…――
"青年の友達" が
過去の
<ハラスメント>
に関して、
"諜報機関の応答用人工知能" に
質問されている頃……――
地上では、
”重力スケート”
ノービスクラスの
<キテイ>
が終了していた。
荘厳なる "マグロ" は、
肩と
顔を
落としていた。
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"マグロ" は………
――<キテイ>
――終了時点で……
上から数えて
#第三位#
という位置に
付けていた。
初めての順位であった。
"蜘蛛宇宙人" に比べれば
好成績と云えたが、
高順位とは
云えなかった。
それまで
"マグロ" は…
――二年連続で……
<キテイ>を
”第一位”で
通過していたのだ。
※ノービスに
登録したばかりの頃は
もっと低い順位を
取った事もあったが、
二年前に
突然
ジャンプアップしてから
順位を落とした事が
なかった。
"マグロ" は
<キテイ>を
一位で
通過する
つもりだった。
体調が悪くとも………――
"マグロ":
《そうしなきゃ……》
――と考えていた。
地方大会を
#優勝#する…――
そのつもり
だったのだから。
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