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荘厳なる少女マグロ と 運動会

 「破裂した爆弾は、

  どうなったのか?」




 誰も傷つけはしなかった。




 情報の破片は

 様々な場所に

 送られていった。




 破片は飛んで行く…――




 "怪人の妻" が

 送りたい場所に

 向かって。




 途中で――


 「不適切だ」


 ――として

 フィルターがかかり、

 それ以上の進行を

 止められる事が

 多かった。




 フィルターを

 すり抜ける事が出来た物も

 次の

 ――より細かい目の

 フィルターで

 止められた。




 現代では、

 あまりにも

 プライベートな物で、

 公に出すには――


 「不適切な対象」


 ――が流出されようとすると

 個々の人工知能が

 選別して、

 拡散を防ぐように

 なっている為だ。




 フィルターにかかった情報の

 さらなる流出を意図する

 送信者は、

 悪意がない事を

 証明しなければ

 さらなる拡散を

 行う事は

 出来ない。




 設置者である

 "怪人の妻" は

 悪意がない事を

 証明する事は

 出来ない。




 ―――――――――――――――――――――――――




 セットされた

 爆弾の破片は

 ――大概……

 飛び散る前に

 食い止められた。




 ただ………――




 すべてが回収された訳ではない。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "青年の友達" の

 #同意#が

 ”諜報機関”に送られた後――


 「ボm……」


 ――地下の

 <コンフェレンスルーム>

 の壁に映っていた映像が

 ――突然…

 取り消された。




 部屋が真暗になった。




 すぐに点灯した。




 点灯と同時に、

 それまで

 地上を映していた壁に

 人の顔が

 現われた。




 "青年の友達" が

 会った事がない

 人物の顔だった。




 そして

 それは……――




 <存在しない人間>だ。




 ”諜報機関”が利用している

 人工知能の

 <フィギュア>

 だった。




 ―――――――――――――――――――――――――




 人工知能には

 本来、

 ”顔”が

 設定されていない。




 しかし、

 現代の

 ”諜報機関”や

 ”警察”では、

 市民から

 ”供述”

 を引き出す必要がある時、

 ”人間の顔”

 を提示して、

 目的達成を

 容易にしようと

 していた。




 人間は、

 視覚的に捉えられない対象

 と対話する時、

 語りが流暢にはならない傾向にある

 ――考えている事を

 ――そのまま

 ――話そうとはしない傾向にある………

 という事は

 既に

 データで

 示されている。




 人間は、

 ”対象が視覚的に確認できない人工知能”と

 会話する時、

 人間的

 <フィギュア>が

 設定されている

 人工知能と

 対話する時にはない

 ”緊張”が

 生まれる事が

 多い。




 心理学者に云わせれば、

 <意図が伝わっているかどうか?>

 ”不安”

 なのだという。




 顔が設定されているかどうかで、

 犯罪者の黙秘率も異なる程、

 <顔の設定の有無>は

 重要な問題だ。




 その為、

 ”諜報機関”に

 <通報>が

 行われた時、

 必ず

 その

 <存在しない人間の顔>

 が応対する事に

 なっていた。




 因みに

 その顔は、

 古代社会で、

 アニメ俳優をしていた

 人間の顔を

 再利用している。




 人間が……――


 「最も不快になる可能性が低い顔である」


 ――という理由で

 選ばれていた。




 ―――――――――――――――――――――――――



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