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荘厳なる少女マグロ と 運動会

 "怪人" が

 "外国人" の

 データを

 見ている頃…――




 地上では、

 ”重力スケート”

 の

 <キテイ>

 競技が

 始まっていた。




 男子ノービスクラスの選手

 最初のグループが

 <スペースリンク>

 に入り、

 ”重力ストーン”

 に乗って、

 空間を

 浮かび上がって

 行った。




 空中には

 ――リンクを

 ――横切る様に……

 線が

 引かれている。




 登録した選手の

 数の分だけ、

 レーザーによる

 直線的光が

 走っているのだ。




 それらレーン

 一方の端に、

 選手達が

 向かっていた。




 浮かび上がる者の中に

 迷う者は

 いない。




 全員が

 到達し、

 整列した。




 余りは

 ない。




 空中で

 位置に

 つく。




 選手達は

 足の下、

 石と

 石の間に

 レーザーのレーン

 挟んで

 立っていた。




 会場には

 雑談の声が

 満ちていたが、

 選手達が

 並ぶと、

 静まった。




 大会の運営委員によって――


 ”始まり”


 ――が示される。




 合図を見てから、

 選手達は

 石を

 操作し始めた。




 <キテイ>

 に於いて

 ――最初

 選手は――


 <空中にて

  どれだけ

  精確に

  同じ場所で

  ――石を動かす事なく

  静止できるか?>


 ――を示さなければ

 ならない。




 多くは――不安定。




 選手達の足の下で

 ”重力ストーン”

 は

 ――同じ場所に

 ――置かれながらも………

 前後左右

 上下に

 揺れ続ける。




 注意して見なければ……

 ――そして

 ――遠目で

 ――肉眼で

 ――見るならば…

 石は

 空中で

 静止している様にしか

 見えないが、

 確実に

 揺れている。




 浮いている間に

 ――長時間

 石を

 同じ位置に

 留めておく事は

 人間には

 困難であるから。




 ちから

 更新しなければ、

 石は

 落ちていく。




 少しでも

 ちから

 入れすぎれば、

 浮き上がる。




 落ちもせず

 浮き上がりもしない

 <状態>

 を示す事で

 勝ち負けを

 決めるのが

 <キテイ>

 の

 最初の

 コンポーネント

 である。




 ノービスクラスの

 子供たちが操作する

 石は、

 シニアやジュニアとは

 比べ物にならない程の

 振れ幅を

 見せた。




 その振れ幅を

 人工知能が

 計る。




 選手達は

 石の維持

 その試みを

 続ける。




 その間に

 点数が

 付けられた。




 終了の合図が

 在り、

 すぐに

 次の始まりが

 示された。




 次の始まりが

 示されると、

 選手は

 ”重力ストーン”

 に乗ったまま、

 体を

 ――僅かに

 弛緩

 させた。




 それから

 両足を動かし、

 各々の足の下にある

 二つの石を

 スペースリンク内部に

 走る

 レーザーの直線レーンの中に

 置いた。




 直線レーンに対し

 選手の体は

 ヴァーティカル。




 また

 合図が

 在った。




 選手達は

 片足を

 動かした。




 空間にある石が

 すべて

 ――片方だけ

 直線レーンから

 はみ出る。




 選手達は

 コンパスの要領で、

 片足を

 同じ場所に

 据えたまま、

 もう片方で

 ――石を使い

 空間に

 半円を

 描こうとする。




 起点はレーン。




 終点もレーン。




 半円を描くと、

 描いた片足を

 軸とし、

 それまで

 軸足であった

 もう片方を

 動かし、

 また

 半円を

 描く。




 繰り返す。




 レーザー直線レーンを軸として

 波線が

 出来る。




 観客は

 スペースリンクに出来る

 波線を

 固唾を飲んで

 見守る。




 大勢はそれを――


 「面白い」


 ――という。




 選手達が

 足で

 波線を

 描く

 その間に

 点数が

 付けられる。




 この時、

 タイムは

 競われない。




 <どれだけ

  正確に

  半円を

  描く事が

  出来るか?>




 <どれだけ

  軸足が

  ぶれないか?>




 それが

 評価基準

 である。




 選手が

 レーザーの直線レーン

 端から

 始め、

 端に

 到達すると、

 <キテイ>

 競技は

 終わりとなる。




 終わった者は

 浮いた石の

 高度を

 落とし、

 地面に

 着地する。




 全員が

 地上に

 降りて

 <スペースリンク>

 を後にしてから、

 点数が

 掲示

 される。




 全体的に。




 最初のグループの

 順位が

 つけられた。




 ―――――――――――――――――――――――――



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