荘厳なる少女マグロ と 運動会
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"怪人":
「マ…ママン……。
わたしは(わ)ぁ………
あなたをぉ……
信じてぇ…
いますぅ……」
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"青年の友達":
「もちろん!
勿論
信じてます!!
信じていますが………――」
"青年の友達" は
押し黙る。
『ビビビビビ……』
意識は
目の前だけを
捉えて
いなかった。
現実を見つめている様で、
見ている筈の現実は
現実そのものでは
なかった。
過去という――夾雑物。
過去は
芽の様に
現れは
しなかった。
過去は
波の様に
押し寄せは
しなかった。
炭酸の
様だった。
消えても…――現れる。
そして
丸く
留まっていた。
"青年の友達" は
一瞬……――
トレンブル。
動かない身体が
反応した
気がした。
それも………――終わった。
”コシュマーク”
は
去らない。
それを
否定するかの様に
"青年の友達" は
首を振った。
そして……――口を開く。
"青年の友達":
「で…でも!!!」
そして――スタッター。
"青年の友達":
「この国には!!――
ちゃんと
仕事を
しない奴が
いる!
います!!」
『ビビビビビ……』
"怪人":
「………そうだぁ……。
…その通りだぁ……」
勿体ぶる。
ただ
すぐに――
"怪人":
「つまりぃ………
君は(わ)ぁ……
同じ国のぉ…
<国民>
のぉ……
仕事ぶりをぉ………
疑うのぉ……
だねぇ…?」
"青年の友達":
「みんなじゃない!!!
みんなじゃありません!!
そうじゃない!
そうじゃないです!!
勿論、
多くのひとは――
”ちゃんとやっている”
――でしょう。
でも
”ちゃんとやっていない奴”
もいて……――」
"怪人":
「変わらないよぉ………。
同じぃ……
<国民>
をぉ…
疑ってぇ……
いるのぉ………
だろうぅ……?
それもぉ…
<元・外国人>
やぁ……
<外国人>
をぉ………
疑うぅ……
為にぃ…」
"青年の友達":
「mute」
壁は
"青年の友達" には
厚すぎた。
隙間は
狭すぎた。
"青年の友達" は
視線を
外していた。
だから……――
"怪人":
「君は(わ)ぁ………
わたしをぉ……
信じてぇ…
いるかねぇ……?」
"青年の友達" は
視線を
戻した。
"怪人":
「同じぃ………
<国民>
でありぃ……
――仲間でありぃ…
先輩であるぅ……
わたしをぉ………
信じるぅ……
かねぇ…?」
希望の――ライター。
"青年の友達":
「信じているから、
話をしたのですよ!!!」
"青年の友達" は
見たい物を
見ていた。
"怪人":
「どうもぉ……
ありがとうぅ………」
柔和を示した
"怪人" は、
"青年の友達" が
その時
欲している物を
与えた。
"怪人":
「まぁ……
良いぃ…
だろうぅぅぅ……。
君のぉ………
進言……
――もしくは(わ)ぁ…
――過剰反応ぅ……
――かもぉ………
――しれないぃ……
――ねぇ…
それをぉ……
無視してぇ………
後々(あとあと)ぉ……
わたしのぉ…
責任にぃ……
なってもぉ………
困るぅ……
からねぇ…」
"怪人" は
籠った空間にて
換気扇を
回した。
呼吸が楽になった
"青年の友達" の胸には
温かさが
在った。
"怪人":
「見るだけぇ……
見てぇ………
みようぅぅぅ……
かぁ…」




