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荘厳なる少女マグロ と 運動会

 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 "怪人":

 《ママン…

  ――イルフェボ……。

  ママンンン………

  ――ラリュンヌリュィプールトゥルモン……。

  モァエクセプテェ…

  ――アパーモァァ……》




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 "怪人" は

 視線を

 外した。




 その後、

 ちらとも

 "青年の友達" を

 見なかった。




 立っていた。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "怪人" は

 相手の意図を

 把握していた。




 "青年の友達" だけが

 <特別>

 では

 なかった。




 そして――




 場所は

 その会場だけでは

 ない。




 "怪人" が

 様々な場所の

 <地下>

 に

 #本来なら

  アクセス権限を

  与えられていない為に

  入る事が

  出来ない

  人間#

 を連れていくと、

 大勢が

 同じ事を

 望むのだ。




 自分の目で見えていた筈の事が

 別の角度から

 媒体を通じて

 見える様になっただけで――


 「………motto」


 「motto……」


 ――と

 さらに

 与えられる事を

 望むのだ。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "青年の友達":

 「す、すいません…」




 ただ

 "青年の友達" は

 愚かではなかったし、

 身の程を

 弁えていた。




 そして

 "青年の友達" は

 忘れている事を

 思い出していた。




 階級から云えば、

 "青年の友達" は

 "怪人" の下

 だったのだ。




 いくら

 ”ドラフト”

 を終えたからといっても

 変わる事がない……――


 <ある>

 意識。




 ”ドラフト”

 から解放されれば

 同じ市民として

 <平等である>

 その筈なのに

 存在している………――


 上下関係。




 それは

 必ずしも

 ”年齢として与えられた数字”

 によって

 規定される

 関係では

 ない。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "青年" は

 直立

 していた。




 揺らぎは

 ない。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 勿論、

 上下関係は

 年齢に沿って

 作り出される

 傾向がある。




 先に為す者は

 先に為した分だけ

 機会があり

 ――有利であり

 知識に於いても

 ――能力に於いても

 後から来た者よりも

 先んじている場合は

 多いだろうから、

 上下関係が

 年齢の数字の大きさ

 によって設定された

 <序列>

 の形として

 見える事は

 不思議でも

 何でも

 ない。




 ただ

 いくら機会が与えられても

 その機会を使って

 より先んじた事をしなければ

 知識に於いても

 能力に於いても

 上になる事は

 ない。




 年齢は

 必ずしも

 能力を

 保証しない。 




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 「誰もが平等である」

 という事は

 人権の基本として

 保証されている。




 それは

 建前ではなく……

 ――理想でもなく…

 文化的社会を運営する上で

 実行されている

 理念である。




 ただ……――




 "怪人" は

 "青年の友達" よりも

 先に

 キャリアを始め、

 タイトルを得ていた。




 何より、

 能力に於いて

 先んじていた。




 能力に於いて

 <上下関係>

 があった事は

 誰も

 否定

 出来ない。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "青年の友達" は

 最高級に

 聡明では

 なかったが、

 それを

 理解していた。




 そして………――




 <それから

  しようと

  している事>

 が、

 自分ひとり

 では

 出来ない事も

 わかっていた。




 肩書きへの

 盲目的

 隷従では

 なかった。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 関係が不満であるなら

 解消すれば良いだけだ。




 頼らなければ良いだけだ。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 "怪人" は

 仮面を

 笑顔になる様に

 捻じ曲げた。




 "怪人":

 「いいんだよぉ……。

  誰もがぁ…

  望む事だぁ……。

  みんなぁ………

  おんなじぃ……

  さぁぁぁ…。

  わかってくれればぁ……

  いいんだよぉ………。

  人は(わ)ぁ……

  誰もがぁ…

  間違えるぅ……。

  それがぁ………

  人間んんん……

  だろぅ…?」




 "怪人" は

 ”アクセス権限を

  手に入れる事の

  出来ない者”

 が

 ――努力せずに

 望む事を

 許した訳では

 なかった。




 強い関心が

 なかったのだ。




 話題はすぐ……――流れる。




 "蜘蛛宇宙人のクローン・第一ジェネレーション" は、

 "青年の友達" が

 本人の知らない緊張を

 和らげるのを

 目で

 確認してから………――




 "怪人":

 「さぁ……

  行こうかぁ…

  ね?」




 箱を出た。



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