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荘厳なる少女マグロ と 運動会

 ―――――――――――――――――――――――――




 「内臓オーガンが在る」

 という

 <状態>

 について。




 ―――――――――――――――――――――――――




 存在の書き換えは

 まだ

 始まった

 ばかりである。




 技術が現れたのは

 まだ最近で…――


 ルールのプロセスは、

 まだ

 ”揺籃期”

 にある。




 仕方のない事だ……――


 クローンですら、

 環境(状況)による刺激の強さから

 ”オリジナルそのもの”

 を獲得できない時代が

 長く続いていたのだ。




 素材は

 ――たとえ

 揃える事が

 出来ようとも、

 同じ

 クローン

 を作り上げる前に、

 同じ

 <状況>

 を

 ――コンスタントに

 作り出す事が

 不可能に近い為に、

 ”オリジナルの

  完全なコピー”

 という問題

 に対する

 アプローチ

 ――その思考法

 を

 根本から

 変える

 そんな必要がある

 と気づき、

 実際に

 発想が

 現れるまで、

 ひどく時間が

 掛かったのだ。




 存在の条件を

 コントロールするには

 まだ

 当分

 時間が

 掛かるだろう。




 ―――――――――――――――――――――――――




 密閉された箱の中にいた

 二人にとって、

 その箱は

 ひとつであった。




 そして………――そう見えるものであった。




 箱を外から観察する者

 にとっても、

 ”閉じられた箱”

 という対象を見た時、

 「箱はひとつである」

 と主張するだろう。




 しかし

 ――実際……

 <箱は

  ”二つ”

  であった>

 という事も

 注意する必要が

 ある。




 箱の中に、

 箱があるのだから。




 古代社会の数学者の痕跡を見ると

 笑えるのは

 ――屡

 ”箱の中の箱”

 を

 見ない事にして

 計算している事だ。




 明らかに

 視点を箱の中に置いて内側から箱そのものを見た領域と

 視点を箱の外に置いて外側から箱そのものを見た領域では

 領域の数値に

 食い違いが起こっているにも

 関わらず、

 二つある箱を

 ――「そうとしか見えないから」

 ――という理由で

 ひとつの箱と考えて

 計算を続け、

 面を捻じ曲げ、

 写像を設定し、

 帳尻合わせで

 証明と

 する。




 これはさんじげんに限らない。




 措定の――アンジュ。




 ―――――――――――――――――――――――――




 巨人パノプテースは、

 自分の中にある

 箱と箱の間を

 見ていなかった。




 見る事は出来たが、

 見ていなかった。




 箱と箱の間には

 <状態>

 があり、

 常に

 <現象>

 があり、

 <出来事>

 が起こりうるが、

 内側のインナーの中、

 外側のアウターの外

 で起こる事に比べれば

 ――人間にとって

 低重要度と

 見做されているが

 ゆえだ。




 そして…――




 <壁の目>

 は

 一度に

 一面からしか

 見る事が

 出来ない。




 そして……――




 見ない物は

 記録されないのだ。




 しかし………――




 それは

 <裏が存在しない>

 という事を

 意味しないのだ。




 ―――――――――――――――――――――――――




 以上が

 <内臓オーガンに関して>

 である。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――



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