荘厳なる少女マグロ と 運動会
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「内臓が在る」
という
<状態>
について。
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存在の書き換えは
まだ
始まった
ばかりである。
技術が現れたのは
まだ最近で…――
ルールのプロセスは、
まだ
”揺籃期”
にある。
仕方のない事だ……――
クローンですら、
環境(状況)による刺激の強さから
”オリジナルそのもの”
を獲得できない時代が
長く続いていたのだ。
素材は
――たとえ
揃える事が
出来ようとも、
同じ
クローン
を作り上げる前に、
同じ
<状況>
を
――コンスタントに
作り出す事が
不可能に近い為に、
”オリジナルの
完全なコピー”
という問題
に対する
アプローチ
――その思考法
を
根本から
変える
そんな必要がある
と気づき、
実際に
発想が
現れるまで、
ひどく時間が
掛かったのだ。
存在の条件を
コントロールするには
まだ
当分
時間が
掛かるだろう。
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密閉された箱の中にいた
二人にとって、
その箱は
ひとつであった。
そして………――そう見えるものであった。
箱を外から観察する者
にとっても、
”閉じられた箱”
という対象を見た時、
「箱はひとつである」
と主張するだろう。
しかし
――実際……
<箱は
”二つ”
であった>
という事も
注意する必要が
ある。
箱の中に、
箱があるのだから。
古代社会の数学者の痕跡を見ると
笑えるのは
――屡
”箱の中の箱”
を
見ない事にして
計算している事だ。
明らかに
視点を箱の中に置いて内側から箱そのものを見た領域と
視点を箱の外に置いて外側から箱そのものを見た領域では
領域の数値に
食い違いが起こっているにも
関わらず、
二つある箱を
――「そうとしか見えないから」
――という理由で
ひとつの箱と考えて
計算を続け、
面を捻じ曲げ、
写像を設定し、
帳尻合わせで
証明と
する。
これは箱に限らない。
措定の――アンジュ。
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巨人は、
自分の中にある
箱と箱の間を
見ていなかった。
見る事は出来たが、
見ていなかった。
箱と箱の間には
<状態>
があり、
常に
<現象>
があり、
<出来事>
が起こりうるが、
内側の箱の中、
外側の箱の外
で起こる事に比べれば
――人間にとって
低重要度と
見做されているが
故だ。
そして…――
<壁の目>
は
一度に
一面からしか
見る事が
出来ない。
そして……――
見ない物は
記録されないのだ。
しかし………――
それは
<裏が存在しない>
という事を
意味しないのだ。
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以上が
<内臓に関して>
である。
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