荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ" が
腕を
上げる。
そして…――
指を
動かした。
<自由>
だった。
そして
<自由>
を利用して……――
「遺志」
――を
掴んだ。
<自由>
を捨てる事で
手に入れた。
―――――――――――――――――――――――――
ひとりだった。
一人だった。
独りだった。
それでも………――
そうではなかった。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ" は
別の
<自由>を
広げた。
そして……――
使った。
仕舞い込んでいた…――
「Welt」
――を取り出した。
そして
それを……――
捻じ曲げなかった。
まっすぐな
それを
まっすぐ
伸ばした。
直線を
より
真っ直ぐ。
何度も。
何度も。
「Welt」
――が………
「Welt」
――で
なくなる
まで。
そして……――
折り畳んだ。
何度も。
何度も。
束を
作る。
纏める。
叩き潰して
ひとつにする。
繰り返した。
そして…――
「n」。
十分な硬さを
手に入れた時、
先端の……――
「figure」
――を代えた。
取り換えた。
代替として………――
「遺志」
――を
取り付けた。
合体させた。
―――――――――――――――――――――――――
直線の先に……――
「遺志」。
それは
二つだが…――
「1」
――であった。
そして
それは
極めて……――
「”性”的」
――対象
であった。
#”性”的ではないもの#
に対する
~”性”的
<解釈>~
は必要無かった。
単に………――
「”性”的」
――であった。
―――――――――――――――――――――――――
<スコップ>
が出来上がった。
そして……――
繰り返そうとする。
始まりに
戻り…――
子供の頃に
した事を
繰り返そうとする。
ループを
形成しようと
する。
そして……――
形成しない。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ" は
ずっと
#<自由>
であり、
<自由>
ではないもの#
を用いていた。
<役立たず>と
<評価>
される
それ。
―――――――――――――――――――――――――
<役立たず>
を利用して、
"マグロ" は
<スコップ>
を握っていた。
支えた………――
支えられながら。
そして
"マグロ" は
遂に……――
地に
それを
突き立てた。
掘った。
繰り返した。
―――――――――――――――――――――――――
掘った。
抉った。
地から
奪った。
材料を
奪った。
そして
十分に
材料を
手に入れると、
先ず…――
「consequential」
――な……
「E」
――で出来た………
「池沼」
――を
埋めた。
地にありながら
地ではない
それ。
地の上に
溢れていた……
――湛えられていた…
それ。
自身が
作った
それ。
"マグロ" は、
<受け入れられなかったもの>に
#地でありながら
地ではないもの#
を被せた。
終えた。
そして……――
繰り返す。
<役立たず>
を使いながら、
<道具>
を使いながら………
――再び……
――別の
――”場”を…
掘る。
掘削する。
ボディが
出てきた。
遺体が
出てきた。




