荘厳なる少女マグロ と 運動会
"美徳":
「これで
わたしの
役目は
終わり。
もう
立てないよ。
君には
もう
立つ事を
諦めているかの
”様に”
見えたかも
しれないけど、
わたしは
立つ事を
諦めていない。
でも…
――それでも……
立とうと
頑張っているけど………――
立てないよ。
起き上がれないよ。
そして、
もう
立ち上がる事は
ないだろうね。
後は……――
消えるだけ。
だから
先に
言っとくね…――
さようなら」
"マグロ" は
挨拶を
返さなかった。
"マグロ":
「あなたが
消えたら、
わたし、
一人に
なる。
これまでも
独り
だったけど、
これから
また
独りに
なる。
”劣っていて”
<役立たず>な
わたし」
"美徳":
「君は……――
『1』
――の値を
持っている。
それ以上に
何を
望む?
ほとんどは
独りだろうが
そうじゃなかろうが………――
『1』
――ですら
ないんだ。
君は……――
『為した』
――んだ。
それ以上を
望む必要は
無い。
欲する
必要は
無い。
わたしは
もう
立てないよ。
君が
もう
跳べないのと
”同じ”位
無理。
終わるんだよ。
でも…――
何も
変わらない。
わたしは
一緒に
いる。
何も
変わらない。
わたしは
ここに
いたよ。
ここに
いたんだよ。
君が
忘れても
ここに
いたんだよ。
ずっと
いた。
『Welt』
――と共に
いたでしょ?
わたしは
ここに
いたんだよ。
わたしは、
ここにいなかったけれど
ここにいたんだ。
これからも
いる。
召喚すれば
現れる。
見えなくとも、
わたしは……
――既に………
『patch!』
――として
組み込まれている。
本当に
”読んでいる”
のなら、
わかる筈。
そして
わたしは
適切な時が
来れば、
何度も
繰り返す。
だから……――
悲しまないで。
悲しむ
必要なんか
無い。
わたしは
君が
どれだけ…――
『一人だ』
『人間は
誰しもが
孤独だ』
――と
嘯こうと
傍に
いるよ。
わたしは
君の孤独を
否定するよ。
そして……――
君は
わたしと共に
ヤるんだ。
君には
まだ
ヤらなければ
ならない事が
残っている」
"マグロ":
「もう………――
『無い』
――でしょ?」
"美徳":
「『在る』」
"マグロ":
「それは……――
『何?』」
"美徳":
「繰り返すんだ…――
君は
始まりを
繰り返すんだ。
わたしは
このフェーズを
終わらせるけれど、
君は
まだ
終わっていない。
繰り返す
必要が
ある。
君には
<役割>が
ある。
繰り返すんだ。
子供の頃を
繰り返すんだ。
君は……――
『犬』
――を
埋めたんだ。
それを
繰り返すんだ。
『負け犬』
――を
埋めるんだよ」
"マグロ":
「わたしには………
――もう……
何も…――
『無い』」
"美徳":
「『在る』」
"マグロ":
「なくなる……」
"美徳":
「現れる」




