荘厳なる少女マグロ と 運動会
"蜘蛛宇宙人":
「でも…――
ボクは……
西洋………――」
"マグロ":
「そう……――
でも
違う。
確かに…――
そう。
あなたは
確かに
<西洋>を
露にする。
でも……――
あなたは
<西洋そのもの>
じゃない。
あなたは
この国に
取り込まれた
西洋的なものを………――
「patch!」
――部分を
再生しただけ。
それは
<西洋的>
でありながら……――
そうじゃない。
あなたは…――
<西洋人>
じゃない。
わたしと
”同じ”……――
『国民』。
『オリジン』
――は
”同じ”。
あなたと
わたしは
違うけど、
”同じ”
なの………。
だって
あなたは
ここで
生まれたんだから……。
ここで
育ったんだから…。
どこにも
行かずに……――
平行しながら
”同じ”
時代を
生きてきたんだから………。
そして……――
『仲間』
――の為に
尽くして
来たんだから。
『偉業』
――の為に」
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"マグロ" は
"蜘蛛宇宙人" の…――
<正体>
――を
明らかにする。
ただ……――
していない。
ただ………――
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"蜘蛛宇宙人":
「そう……――
なのかな…」
"マグロ":
「そう……――
どこの
誰が
否定しようと
そう。
『わたしたち』
――は
繰り返してきた………」
"蜘蛛宇宙人":
「ボク達は……
繰り返してきた?…――」
"マグロ":
「そう……――
『わたしたち』
――は
繰り返してきた。
あなたと
わたしは
繰り返したの。
これまで
多く
現れた………――
『わたしたち』
――が
繰り返してきた
みたいに」
"蜘蛛宇宙人":
「そうだ……――」
"蜘蛛宇宙人" は
告白する。
"蜘蛛宇宙人":
「西洋的な
<構造主義>
的手法を
利用してきたけど、
<元>
は違うんだ。
これは…――
<古典的な
構造主義>
じゃない。
<フォルマリスム>
じゃない。
<ポスト構造主義>
でもない。
ポストの
ポストではない。
それらは
終わっている。
それでも
基礎は
”同じ”。
手法は
”同じ”。
違うけど
”同じ”」
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"蜘蛛宇宙人":
「最初……――
ボク達には
名前が
無かった。
#原始
<状態>#では
ボク達は
見えなかった。
見られなかった。
ただ………――
<元型>
――って呼ばれる
”様に”
なった。
ジュングのそれ
じゃないけど……――
<元型>。
<集団的無意識>とは
関係が
無い。
他には…――
<神話素>
――って
言い方も
ある。
物理学的には……――
<粒子>。
他にも
たくさん
呼び名が
ある。
でも………――
違うんだ。
ボク達は……――
<構造主義的
分析方法を
基礎として、
発展している
もの>
――なんだ。
『次』
――のレベルなんだ。
ここは…――
『上部構造』
――なんだ。
たとえ
”同じ”
平面でも」