荘厳なる少女マグロ と 運動会
"蜘蛛宇宙人":
「鶏の出汁を…
取っていない……」
"蜘蛛宇宙人":
「牛も………
豚も……
無い…」
"蜘蛛宇宙人":
「犬猫さえ……――
無い」
"蜘蛛宇宙人":
「魚のブイヨンでは………――
無い」
"蜘蛛宇宙人":
「動植物老若男女の……――
『個
”性”』
――は…
無い」
"蜘蛛宇宙人":
「人工知能みたいな……
レディーメイドな………
化学調味料は……
入っていない…」
"蜘蛛宇宙人":
「塩は……
無く………――
『co』
――も……
無い」
"蜘蛛宇宙人":
「水だけ…――」
"蜘蛛宇宙人":
「――水から……
炊いた………
粥」
"蜘蛛宇宙人":
「そこに……
添えられた…――
火が……
入り過ぎていない………
香草」
"蜘蛛宇宙人":
「ハーブじゃない……
それ」
"蜘蛛宇宙人":
「西洋の…
ハーブとは……
全然………
違う……――
におい」
"蜘蛛宇宙人":
「ミントや…
バジルや……
ローズマリーの………
”様に”
肉を……
――すべてを…
包み込み……
消してしまう………
――<ヒューマニスティックな
―― 平等主義>や
――<同調圧力>の
――”様に”
――働く……
西洋とは…
違う……
香り」
"蜘蛛宇宙人":
「肉の………
――ボディーの……
痕跡を…
消す為の……
それじゃない………」
"蜘蛛宇宙人":
「画一化の為の……
それじゃない…」
"蜘蛛宇宙人":
「妻の……
”様な”………――」
"蜘蛛宇宙人":
「――草!」
"蜘蛛宇宙人":
「<細くて
硬い
外国米>
とは……
違う…
米が……
――国産米が………
柔らかに……
――水の中に…
解けている……」
"蜘蛛宇宙人":
「粗野な………
もみ殻が……
無い…
精製された……――
『sophisticate』
――された………
米」
"蜘蛛宇宙人":
「『prit』
――と……
肥っていた…
米」
"蜘蛛宇宙人":
「『pure』
――な……
清水の中で………
細やかに……
分解されているんだね…」
"蜘蛛宇宙人":
「あ……」
"蜘蛛宇宙人":
「………あぁぁぁぁ……」
"蜘蛛宇宙人":
「あああああああああああああああああああああああ!!」
"蜘蛛宇宙人":
「この国は…――
<るつぼ>
――じゃないんだね……」
"蜘蛛宇宙人":
「<メルティングポット>
――じゃないんだね………」
"蜘蛛宇宙人":
「ハーブと……
ドレッシングを…
大量に掛けた……――
<サラダボール>
――じゃないんだね………」
"蜘蛛宇宙人":
「この……――
『国』
――は…
違うんだね……」
"蜘蛛宇宙人":
「粥だけど………
粥じゃない……」
"蜘蛛宇宙人":
「単なる…
<粥>
じゃない……」
"蜘蛛宇宙人":
「”『歯が
丈夫では
ないから』
――という理由で………
噛めない奴が……
食べる…
単なる……
<粥>
じゃない………」
"蜘蛛宇宙人":
「病める者の為だけに……
作られる…
病食とは……
違う………
<意味>……――
『象徴!!!』」




