荘厳なる少女マグロ と 運動会
「あなたは
自分だけ
特別だと
思ってない?…――
あなたは
特別扱いされる
必要が
無い!
あなただけ
特別に
<人外>
として
扱われる
必要は
無い。
あなたは……――
『人間』
――なんだから!!
『人間』
――なら………
『人間』
――として
立ちなさい!!!
一人の……――
『人間』
――として
立ちなさい!!
一本足に
なろうが
立ちなさい!
足が
もげたって
立ちなさい!!
線一本に
なろうと
立ちなさい!!!
点一点に
収縮しようと
立ちなさい!!」
"マグロ" は
言わなかった。
告白しなかった。
ただ…――
示していた。
<行間>
に示されていた。
それは……――
「定理」
――の
”様に”………――
「在った」。
働いていた。
テキストを
動かしていた。
そして
"蜘蛛宇宙人" だけが
それを……――
「読んでいた」。
理解せずに
理解していた。
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告白しない
"マグロ" が
先に
切り出した。
"マグロ":
「まだ
ヤる…――
『冪』
――事が
あるでしょ?
『無い』
――の?
それなら
寝転がっていなさい。
立つ
必要は
無い。
そのまま
終われば
”良い”。
消えれば
”良い”。
あなたは
その他大勢と
”同じ”。
でも
あなたは
まだ……――
『人間』
――としての
責任を
果たして
いない。
でしょ?
だから………――
わたしは
命令する。
上から目線で
命令する。
平等でも、
上から
命令する。
あなたは
終わるまで……――
『人間』
――であろうと
する事を
止めては
いけない!
あなたが
本当に…――
『人間』
――であるなら
続けなければ
ならない!!
努力を
続けなければ
ならない!!!
諦めないで!!
自分に
<価値>
が無いなんて
<評価>
しないで!
”劣っている”人を
受け入れないで!!
『楽』
――なんて
誰だって
出来るの。
犬だって
出来るし、
猫だって
出来るし、
カラスだって
出来るし、
ミミズだって
出来るし、
植物だって
出来るの。
社会の中で
社会の一員として
認めて
<人>
として換算すれば
出来るの。
猫みたいな
”劣っている”
人にだって
機械的に
テンプレ意見を
生成する事が
出来るの。
でも、
それらには……――
『無い』
――ものが
あなたには………――
『在る』。
あなたには
<知
”性”>
がある。
あなたには
誰にも
出来ない事が
出来るんだから、
それを
しないで
誰が
するの?
わたしには
もう
出来ないんだから……。
あなたが
いくら…――
『無理じゃない!!!』
――って
繰り返そうが
あのジャンプは……――」
"蜘蛛宇宙人":
「うん。
無理だろうね」
"マグロ":
「え?」
"蜘蛛宇宙人" が
向いていた。
他を
向いていた
"蜘蛛宇宙人" が
"マグロ" に
向いていた。
「1」
――対………
「1」。
それは
対峙であり、
対峙では
なかった。