荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ" は
続ける…――
繰り返しながら。
"マグロ":
「わたし以外に
誰が
こんな事、
言って
あげられる?」
"マグロ":
「無理じゃない!」
"マグロ":
「無理じゃないんだ!!」
"マグロ":
「わたし以外に
誰が
ヤる!!!?」
すると……――
"蜘蛛宇宙人":
「ボク………――
言った?」。
声。
"蜘蛛宇宙人":
「そんなもの
必要だって
言った?」
「tone」
――譴責。
"蜘蛛宇宙人":
「君からの
励ましなんか
要らないけど……」
"蜘蛛宇宙人":
「君の
”共感”
なんか
要らないんだけど…」
"蜘蛛宇宙人":
「君の言葉なんか
要らないんだけど……」
"蜘蛛宇宙人":
「そんなもの
要らないんだけど………」
"蜘蛛宇宙人":
「君なんか……――」
"蜘蛛宇宙人":
「君とは
話しても…――」
"マグロ":
「――そう……
かもね………――」
”同”意
という
遮り。
"マグロ":
「――要らないかも」
"蜘蛛宇宙人" が
再び
繰り返そうとした事を……
――"後輩" を…
――代わりに……
繰り返す………――
繰り返さず。
ただ
立て続けに……――
"マグロ":
「でもね…――
わたしが
必要だったと
思う?」
捻じ曲げ。
ただ……――
それは
捻じ曲げでは
無かった。
それは
直線。
相手が打った手に
対する
正攻法。
問いかけに対する
返事を
待たずに………――
"マグロ":
「あなたが
わたしの傍に
いてくれた時、
わたし、
あなたに……――
『あなたが
必要だ』
――って
言った?
一言でも
言った?
わたしが
苦しんでいる時、
あなたが…――
『必要だ』
――って
思っていたと
思う?
”同じ”
でしょ?」
"マグロ" は
そこで
言葉を
切った。
続けなかった。
ただ……――
"蜘蛛宇宙人" も
続けなかった。
それの中で
生成するはずの
ループが
生成されなかった。
黙り込んでいた。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ" も………――
沈黙。
二人は
見つめ合っていた。
それは
恋人の
”様”
では
無かった。
それは
対峙
であった。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ" は
告白しない。
以下の
”様に”
告白しない。
「あの日、
あの時……――
『あの年』
――の
わたしは
あなたを…――
『必要だ』
――なんて
言わなかった。
”感じて”
なかった。
あなたなんか
要らなかった。
それなのに……――
それなのに………。
あなたは
わたしを
立たせた。
わたしは
座っていたかったのに……――
無理やり
立たせた。
”母親”を
待って、
ただ
すべてを
放棄して、
<苦しみ>
から
逃れたかったのに…。
多くの
”劣っている”
人たちが
言うでしょ……――
『成功しなきゃ
いけないのか!!?』
『成功しなくたって
”良い”
じゃないか!』。
別に………――
『為す』
――事を
しなくても
”良かった”
のに……。
『楽』
――が
欲しかったのに…」




