荘厳なる少女マグロ と 運動会
その時だった。
「figure」
――を
背けていた
"蜘蛛宇宙人" の
目が
動いた。
目だけが
動いた。
「点」
――が
横滑り。
直線的。
そして…――
据えた。
"蜘蛛宇宙人" は
"マグロ" を
捉えた。
それを
"マグロ" が
捉えた。
"マグロ" を
見つめる
"蜘蛛宇宙人" を
"マグロ" は
見た。
「相互」
――に
見たのを
見た。
二人は
見つめ合った。
この世で
どれ程
強く
愛し合う
恋人達より
強く。
強く。
―――――――――――――――――――――――――
"蜘蛛宇宙人" は
"マグロ" を
見つめていた。
それは
それまでと
違っていた。
それでも……――
不動と沈黙が
繰り返される。
それでも………――
"マグロ":
「『簡単に』
――終わらせるのは
誰にだって
出来る。
『わかりやすく』
――する事は
”低レベル”でも
出来る。
#<業績>と
<実績>と
<実力>は
たっぷりだと
言われながら
何もしなかった人達#
程度で
それは
十分な事。
それらが
やってる事は
テンプレループ。
”劣っている人”が
”劣っている”が故に
”劣っている人”
を引用して
”劣っている事”
を褒め称える。
新しい事は
何も
無い。
『新作』
――は
新しくも
なんとも
ない。
そんな
<頭の
”悪い”
奴が
する事>を
あなたが
する必要は
無い」
繰り返し。
鼻を
啜る事で
体液の流出を
完全に
止めようとする。
それに
対し……――
"蜘蛛宇宙人":
「ねぇ…――
それって
ボクの
台詞
だよね?」。
遂に
"蜘蛛宇宙人" が
答えた。
応えた。
口が
大きく
開かれる……――
直線が
切り拓かれる。
"蜘蛛宇宙人":
「君は
さっきから………――
『ぐだぐだ』
――なんか
言ってるけど、
結局
ボクの台詞の
テンプレループ
だよね?
君こそ……――
『novel』
――なんか
何も…――
『無い』
――よね?」
横たわりながら。
滑舌……――
”良く”。
―――――――――――――――――――――――――
"マグロ" は
喜ばなかった。
開いた面が
再び………
――直ぐに……
閉じられてしまう事を
恐れる。
開いた…――
「点」
――に対して
<過去に於いて
生成された……――
『ready made』
――な集合>が
自動的に
宛がわれ、
進んだ事が
後退してしまう事を
止めようとする。
故に、
急ぐ
"マグロ" は………――
<無表情>
――で……
"マグロ":
「そう…――
あなたの
台詞。
あなたから
借りた
台詞。
昔
あなたが
わたしに
くれた言葉。
言葉。
それを
単に
自動生成
しただけ。
『patch!』
――を充てて
テンプレループ
しているだけ」
認めた。
受け入れた。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――




