荘厳なる少女マグロ と 運動会
"マグロ" は…――
「犬」
――の傍へと
近づいて行った。
近づこうとも
犬の詳細は
見えなかった。
ただ、
近づけば
近づく程……――
虫は
よく
見えた。
近づけば
近づく程
虫の………――
「音」
――は
よく
聞こえた。
”意味”を
なしていない事が
確認された。
そして……――
知る。
”読まない者”には
わからない事を
知る。
<殆どには
わからない事を
叫び続ける
犬>は、
足を
縛られている事。
捻じれ、
面を
切り貼りした…――
「string」
――の
”様な”
<ヒューマニズム>に
その
<傷つけられ、
捻じ曲げられた
足>
を縛られている事。
緩いが
自由を
制限する
枷。
「個」
――の
<表現>
を無為化し、
すべてが
他と……――
「”同等”
である」
――とし
<全体主義的>と
”同じ”
やり方で
すべてを
集合へ
取り込んで………――
「個」
――を
取り消そうとする……――
”ヒューマニズム”
――という…
「枷」。
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「錨」
――の
”様に”
”下がり過ぎる者”を
引き上げようとする……――
「綱」。
ただ
”高く跳ぼうとする者”を
地へ
引きずり下ろす為の………――
「首輪」。
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「枷」
――は
囁いていた。
"枷":
「もっとぉ……
レベルをぉ…
落とせぇぇぇ……」
繰り返していた。
「Bot」
――の
”様な”
それは………――
「Bot」
――の
”様に”
繰り返していた。
”劣る者”は
”劣る”が故に
”劣っている”事だけを
褒め称える。
"枷":
「……わかりやすくしろぉぉぉ…」
"枷":
「みんなにぃ……
認められなきゃぁ………
意味がぁ……
無いぃぃぃ…」
"枷":
「レベルのぉ……
”低い”
<人>
にもぉ………
わかりやすくなきゃぁ……
意味がぁ…
無いぃぃぃ……」
"枷":
「レベルがぁ………
”高い”
なんてぇ……
単なるぅ…
自己満足だぁぁぁ……」
"枷":
「”高レベル”のぉ………
自己満足は(わ)ぁ……
”悪”だぁぁぁ…」
"枷":
「”高レベル”は(わ)ぁ……
”低レベル”のぉ………
満足のぉ……
為にぃ…
犠牲にぃ……
ならなければぁ………
ならないぃぃぃ……」
"枷":
「すべては(わ)ぁ…
みんなでぇ……
<楽しく>
共有されなければぁ………
ならないぃぃぃ……」
"枷":
「あたしたちがぁ…
出来ないのは(わ)ぁ……
お前がぁ………
わかりやすくぅ……
しないからだぁぁぁ…」
"枷":
「お前のせいだぁぁぁ……」
"枷":
「現実でぇ………
負けてる者をぉ……
勝たせなければぁ…
ならないぃぃぃ……」
"枷":
「人は(わ)ぁ………
すべてぇ……
”同じ”
”様に”
地にぃ…
足をぉ……
付けなければぁ………
ならないぃぃぃ……」
"枷":
「出来る人間は(わ)ぁ…
跳んでは(わ)ぁ……
ならないぃぃぃ………」
"枷":
「背の高すぎるぅ……
人間の首は(わ)ぁ…
刎ねなければぁ……
ならないぃぃぃ………」
"枷":
「刎ねた首をぉ……
背の低すぎるぅ…
人間のぉ……
足の下にぃ………
置かなければぁ……
ならないぃぃぃ…」
"枷":
「すべてにぃ……
均衡をぉ………
もたらさなければぁ……
ならないぃぃぃ…」
"枷":
「それこそがぁ……
世界のぉ………――
<法>
――である!」
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