荘厳なる少女マグロ と 運動会
そんな
"後輩" は
選ぶ。
テンプレループの中…――
選んだ。
復讐する事が
出来た。
ただ……――
"後輩" は
復讐しない事を
選んだ。
"後輩" は
ざまあ展開を
選ばない事を
選んだ。
"後輩" は
"後輩" である事を
止める事を
選んだ。
自分を
止めるが
止めない。
終わらせない。
"後輩" は
"後輩" であった。
ただ………――
"後輩" では
なかった。
"後輩" は……――
<先輩となる事>
――を
選んだ。
先輩だが
先輩ではない。
"マグロの母親" の
”様な”
先輩ではない。
"後輩":
《”優れている者”は
単に
”優れている”
のであり、
自分とは
何も
関係が
無い。
”感情”
とは
何も
関係が
無い。
自分が
どう
思おうと、
”優れている事”
とは
何も
関係が
無い。
後輩に
苛立つ
必要は
無い。
ライバルじゃないんだ。
<仲間>
――なんだから》
"後輩" は
過去の
繰り返しを
選ばなかった。
"マグロの母親" と…――
「逆像」
――となる
”様な”
"先輩" となる事を
選んだ。
"後輩" は、
"マグロの母親" とは
違うから。
"後輩" は
身の程を
知っていたから。
自身のレベルを
知っていたから。
「見えていたから」
”ヒューマニズム”に
支配されて
いなかったから。
それでも
その
”"後輩" である "先輩"”は
ループを
断ち切る事が
出来ない。
攻撃される事を
止める事は
出来ない。
先輩に
終わらされる事を
止める事は
出来ない。
それでも……――
断ち切る事が
出来る。
”"後輩" である "先輩"”
の後輩は、
次の
"後輩" には
ならないから。
次の
後輩は、
"後輩" の
”様に”は
終わらないから。
終わらされないから。
そして
その
"後輩" の
後輩は
感謝を
しない。
それでも………――
違っていた。
それは
悲劇。
ただ……――
悲劇だが、
悲劇では
なかった。
世界中で
"後輩" が
繰り返される。
それでも…――
繰り返されない。
そして
”繰り返されなくなった者”が
新たに抱える問題は
ここで
取り扱う
問題ではない。
―――――――――――――――――――――――――
"後輩" は
"蜘蛛宇宙人" に
礼を
示した。
ただ……――
"蜘蛛宇宙人" に
感謝など
していなかった。
ただ、
対象が………――
「存在」
――する事を
認識した途端、
礼を
示すつもりも無く、
礼を
示した。
自動的に……――
「礼」
――を
生成していた。
そして…――
その隣には
無表情で
立つ者が
いる。
仮面の
”様な”……――
「figure」。
―――――――――――――――――――――――――
"蜘蛛宇宙人" は
顔を
背けた。
ループが
見えたから。
"蜘蛛宇宙人":
《ボクが
これ以上
する事は………――
『無い』》
"蜘蛛宇宙人" は
すぐに
指を
動かした。
データを
纏める。
机上で……――
机の無い
そこで。
分析結果を
上へ
送った。
すぐに
返事が
来た。
<評価>
――が来た。
分析結果は
以下の
”様に”
<評価>
される。
"評価":
「あなた ["蜘蛛宇宙人"] は
他の人たちと
”同じ”
です。
何かをしながら
何もしなかった。
”共感”
させないから
減点です。
”感動”
させないから
減点です。
楽しくないから
減点です。
みんなを
不愉快にさせるから
減点です。
偉そうに
理論の事を
話したりして
謙虚じゃないから
減点です。
わかりやすくないから
減点です。
長過ぎるから
減点です。
学問的に
高度なテーマを
利用しているから
減点です。
求められていない事を
するから
減点です。
需要と供給を
満たさないから
減点です。
”ヒューマニズム”
に従っていないから
減点です。
読む価値は
ありません。
『無い』
――のです。
そして
私たちの
ジャッジは
<絶対>
です。
間違っていようと
正しいのです。
服従しない限り、
あなた ["蜘蛛宇宙人"] が
何をしようと
私たちは
受け入れません。
そして
受け入れられない
あなた ["蜘蛛宇宙人"] は
私たちに
必要ありません。
出ていけ!」