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1013/1061

荘厳なる少女マグロ と 運動会

 "蜘蛛宇宙人" は

 作業を

 済ませた。




 ただ…――




 終わらない。




 「次」




 ――に

 取り掛かった。




 指を

 動かす。




 繰り返す。




 ただ

 その時……――




 繰り返されなかった。




 "怪人の妻" の時の

 ”様に”

 目の前に

 <人>

 が現れる事は

 無かった。




 生き返らなかった。




 ただ………――




 ”"青年" の友達

  であった者”。




 そのものは……――




 「無かった」。




 断片すら…――




 「無かった」。




 ただ……――




 「無い」




 ――ものが………




 「在った」




 ――事を

 "蜘蛛宇宙人" は

 無視して

 いなかった。




 「生きた」




 ――という事を

 忘れては

 いなかった。




 「life」




 "怪人の妻" と

 ”同じ”

 でありながら

 違うもの。




 ―――――――――――――――――――――――――




 "蜘蛛宇宙人" は

 指を

 動かし続けた。




 テキストを

 生成する。




 自動生成せず……――




 自分の手で。




 そのものではなく…――




 代替物。




 「書いた」




 塊が

 出来た。




 それは……――




 「無い」




 ――が………




 「在る」。




 ―――――――――――――――――――――――――




 終わると、

 "蜘蛛宇宙人" は

 それを送る

 手続きを

 整えた。




 ただ……――




 ”"青年" の友達であった者”

 の再起先には

 送らなかった。




 送る事が

 出来なかった。




 それは…――




 「無い」




 ――から。




 コピーであり……――




 既に

 消えているから。




 それは

 悪人の

 ”様に”………

 ――怪人の

 ――”様に”……




 「E」




 ――に還元されて…




 「A, B, …… E1, E2, E3. E4, E5, ………」




 ――構造に

 埋め込まれているから。




 取り込まれているから。




 ―――――――――――――――――――――――――




 送り先が……――




 「無い」。




 転生先が…――




 「無い」。




 それでも

 "蜘蛛宇宙人" は

 データを

 送った。




 コピー元に……――




 「オリジン」




 ――に送った。




 "青年" に

 送った。




 ”同じ”

 であるから。




 <アンスタントテキスト>

 の形で

 送った。




 「翻訳」




 ――して………

 ――入れ替えて……

 送った。




 そのものが

 無いから。




 「どうしようもない」




 ――という事を

 知りながら。




 止める事が

 出来ない事を

 知りながら。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――




 ”重力スケート”の

 地方大会が

 行われていた

 会場では、

 試合が

 行われて

 いなかった。




 終わっていた。




 "青年" は

 会場に

 いた。




 待っていた。




 競技が

 すべて

 終わった後も

 終わっていなかった。




 "青年" は…――




 「友達」




 ――を

 待っていた。




 帰って来る事を

 待っていた。




 昔が

 戻って来る事を

 待っていた。




 馬鹿話をした頃が

 戻って来る事を

 待っていた。




 子供の

 ”様に”

 ふざけ合って、

 はしゃぐ……――




 「幸せ」




 ――な日々。




 ループを

 求めていた。




 テンプレを

 求めていた。




 そして………――




 <報せ>。




 "青年" は

 送られてきた

 アンスタントテキストを

 開いた。




 知った。




 "青年" は……――




 「友達」




 ――を失った事を

 知った。




 "青年" は

 泣かなかった。




 声一つ

 立てなかった。




 立てなかった。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――



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