荘厳なる少女マグロ と 運動会
データが
送信された。
"蜘蛛宇宙人" は…――
「次」
――の……
<"怪人の妻">
――に宛てて
送った。
再起先に
すべてを
送った………――
過去が
見える
”様に”。
すべてが
見える
”様に”。
偉業を為す
"マグロ" に
すべてを……――
「コバチ」
――を
見せた
”様に”。
繰り返す。
話さずに
送った。
一方的に
送った。
上から目線で…――
「贈ってやった」。
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写像の名の下に
<等価交換>
されるもの
―――――――――――――――――――――――――
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別の場所で
別の時に
"怪人の妻" は
繰り返す。
転生するかの
”様に”
繰り返す。
”同じ”
であった。
”同じ”
<状態>。
”同じ”
<条件>。
ただ……――
それは
前と
違った。
"蜘蛛宇宙人" から
<前に
起こった事>
を知らされるから。
―――――――――――――――――――――――――
それでも………――
繰り返す。
それは
"怪人の妻" であり、
"怪人の妻" ではなかった。
”"怪人" であった者”の……
――”"悪人" であった者”の…
パートナーでは
ない。
ただ……――
そのパートナー
であった。
怪人のパートナー。
悪人のパートナー。
そして………――
それは
"蜘蛛宇宙人" の
親ではない。
ただ……――
”卓越”
の親である。
それは
"怪人の妻" と
遺伝子情報を
”同じ”
としていなかった。
クローンでは
無かった。
それでも…――
繰り返す。
入れ替え可能な対象。
―――――――――――――――――――――――――
"怪人の妻" は
ひとりでは
無い。
"怪人の妻" は
大勢いた。
そして……――
殆どは
何かをしながら
何もしない。
"蜘蛛宇宙人":
《たぶん、
ほとん [殆] どは
読まない
んだろうけどね。
オク [贈] ってやったって
受け取らない
んだろうけどね。
ほとん [殆] どは、
どれだけ
言っても
わからない。
ほとん [殆] どは
何かをしながら
何もしない。
前のフェーズで
間違えた事を
繰り返すんだろう。
でも、
そんなの
問題じゃない。
ボクは
繰り返さない事を
繰り返す。
過去にいた
”優れた人たち”も
みんな
知ってたよ。
どうにも
ならない事を
知ってたよ。
でもね………――
みんな
止めなかった。
止めた奴も
モチロン [勿論]
いる。
”劣ってる奴ら”
の為に
レベルを
落としてやった
奴らが
いる。
自分が
受け入れられる為に、
裏切った奴らも
いる。
でもね……――
<”同”
時>
――に
いるんだよ。
”レベルを
落とさなかった人達”が
いるんだよ。
”もっと
高まる為に
努力した人達”が
いるんだよ。
大勢は
名前さえ
知らない
人たち。
”何かをしながら
何もしない人達”と
”同じ”
”様に”…――
『平等』
――に
<名無し>
に設定されて
いるけど……――
その人達は
いたんだ。
『在る』
――んだ!
無視されようと………――
『在った』
――んだ!!》