荘厳なる少女マグロ と 運動会
大勢は
<証拠>
なのだ。
それらは
いくら…――
「”良い”
作品なら
読まれるよ!」
「”優れている”なら
受け入れられるよ!!」
――と
言おうと……
――繰り返そうと………
<自身>
――によって
主張を
否定する。
それらは……――
「存在」
――しているだけで
<ブーメラン>
である。
それらは
存在する事を
主張し続ければ
”良い”。
それらは
存在し続ける限り、
自らを
貶め続ける。
それらには
文明など
必要無いのだ。
それらに
文明や
文化を
委ねる
必要は
無い。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
対象が
消えた時、
"蜘蛛宇宙人" は
喜ばなかった…――
"蜘蛛宇宙人" は
ざまあ展開を
喜ぶ者とは
違うのだ。
"蜘蛛宇宙人":
《大丈夫だよ……。
消えたって………――
問題無い。
すぐに
次が
現れる。
再生する。
”同じ”
事が
繰り返される。
何度でも
悪人は
現れる。
ボクの前に
現れる。
次のボクの前に
現れる。
転生するかの
”様に”》
"蜘蛛宇宙人":
《また
出会うんだろうね……――
次は
どんな
形なんだろう?
フィギュア
なんだろう?
繰り返すにしても、
<お父さん>
ではないんだろうけど。
そして
何度
転生しても
ソーゴ [相互] に
理解する事は
無いんだろうけど…》
希望は
無かった。
ただ……――
<荒涼>
――が
そこに………――
「在った」。
それは
繰り返し
であった。
”親”
の繰り返し
であった。
ただ……――
繰り返しでは
なかった。
―――――――――――――――――――――――――
終わらせた後、
"蜘蛛宇宙人" は
何もしなかった訳
では無い。
"蜘蛛宇宙人":
《まだ
やり残した事が
ある》
"蜘蛛宇宙人" は
悪人を
繰り返さない。
データ送信の
手筈を
整える。
指を
動かすと…――
"蜘蛛宇宙人" の前に
<人>
が現れた。
それは
<人>
であり……――
<人>
では
なかった。
"怪人の妻"。
それは
終わっていた。
それは
消えていた。
ただ………――
そうではなかった。
それは……――
「在った」。
それは
ボディを
持たなかった。
データの塊
であった。
<写像>
であった。
それは
纏められた…――
「人生」
――であった。
それは……――
<無表情>。
―――――――――――――――――――――――――
無表情に向かって………――
"蜘蛛宇宙人" は
声を
掛けなかった。
言葉を
与えなかった。
ただ、
想いが
内部で
流転する。
"蜘蛛宇宙人":
《哀れな人……――
頭の
”悪い”
<人>。
どうしようも
なかった人。
今回の
フェーズでは
苦しんだ
だろうね…。
”悪人”
をパートナーに
選んで、
苦しんだ
だろうね……。
自身の
お腹を
痛めて
産んだ子でも
無いのに、
”タクエツ [卓越]”
を子供にして、
苦しんだだろうね………。
頭が
”悪い”
クセ [癖] に、
ボクと……――
『対等である』
――って
思い込んで、
苦しんだ
だろうね…。
”ヒューマニズム”に
教え込まれたせいで
苦しんだ
だろうね……。
でもね………――
ボク、
あなたに
”共感”
しないよ。
ボクが
出来る事は
あなたに
寄り添う事じゃ
ないよ。
ボクが
する事は
刺激する事。
『次』
――にツナ [繋] げる事。
繰り返さない事を
繰り返す事。
それが
ボクの……――
『役』
――だから。
必要…――
『無い』
――よ。
もう……――
『次』
――では
苦しまないで。
必要………――
『無い』
――から。
モチロン [勿論] ……――
『次』
――にも
苦しみは
ある。
でも…――
『次』
――では
選ばないで。
次の
フェーズでは
繰り返さないで。
次では
<”同じ”
苦しみ>を……――
『過ち』
――を
繰り返す
必要は
無い》




