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1009/1061

荘厳なる少女マグロ と 運動会

 その

 <状態>

 の中…――




 "悪人" は

 聞いていた。




 「U……」




 「………Uuuuu……」




 「UUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!」




 それは

 羽音でありながら、

 羽音ではなかった。




 唸りながら、

 唸っていなかった。




 音は…――




 「boon」




 ――では

 なかった。




 ―――――――――――――――――――――――――




 ペリフェリの

 隙間を

 縫う

 ”様に”……―― 




 「U」




 ――と………




 「U」




 ――の間に沿って

 声が

 "悪人" の許へ

 届く。




 それは

 ワープする形で

 届いた訳では

 無かった。




 それは

 外部から

 突然

 移動してきた訳では

 無かった。




 ただ……――




 ”切り離される前に

  残された要素”を

 再構成する形で

 発生していた。




 そして…――




 "蜘蛛宇宙人" に

 操作されていた。




 "蜘蛛宇宙人":

 「心配しないで。


  痛くないから。


  その

  ”ABEEあびー”は

  刺さないから。


  あの

  倒れた子 ["倒れた少女"] みたいには

  ならないよ。


  あなた ["悪人"] は

  カ [噛] まれさえ

  しない。


  あの、

  ”あなた ["悪人"] が

   嫌っていた人 ["マグロの母親"]”

  みたいに

  あなた ["悪人"] は

  カ [噛] まれないよ。


  あなた ["悪人"] は

  ウ [撃] たれないよ。


  あなた ["悪人"] は

  ボクの

  仲間 ["後輩"] とは

  ”同じ”

  結末に

  ならないよ。


  表面に

  穴は

  開けられないよ。


  ”悪い”

  事しても

  バッ [罰] されないんだよ。


  望み通りの

  展開でしょ?


  あなた ["悪人"] は

  包まれるの。


  『A, B, …… E1, E2, E3. E4, E5, ………』


  ――構造の中に

  取り込まれるの。


  あなた ["悪人"] は

  埋め込まれているの。


  ”同じ”

  になるの。


  それは……――


  『boon』


  ――でありながら

  そう

  鳴かない。


  泣かない。


  解体する為の…――


  『boon』。


  あなた ["悪人"] は

  内部で

  分解されるの。


  ヨーソカンゲン [要素還元]

  されるの。


  『organe』


  ――の中で

  バラバラに

  されるだけ。


  簡単なお仕事。


  でね、

  あなた ["悪人"] は

  本来の姿を

  取り戻す。


  あなた ["悪人"] は

  ひとつの……――


  『E』


  ――に戻るの。


  そこに

  苦しみは

  無いよ………――


  ”良かった”ね!!


  もう

  あなた ["悪人"] は

  苦しまなくて

  ”良い”

  んだよ。


  あなた ["悪人"] は

  何も

  為さなかったし、

  これからも

  何も

  しない。


  誰に

  求められていようと

  関係が

  無い。


  あなた ["悪人"] は

  消えるの。


  コピーである

  あなた ["悪人"] は

  何も

  残さずに

  消えるの。


  あなた ["悪人"] の

  要素は

  残る。


  でもね……――


  あなた ["悪人"] は

  残らない。


  あなた ["悪人"] に

  設定された…――


  『個』


  ――は解体されるの。


  代入されるの。




  さようなら」




 そして……――




 「boon!!!」




 ――そうなった。




 それは

 勧善懲悪であったが、

 勧善懲悪ではなかった。




 そして………――




 何も

 違わない。




 変わらない。




 それを

 見るものは

 いない。




 ―――――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――――――



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