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第五幕 不幸な青年は・・・


五幕目(=´∀`)人(´∀`=)いえーい


眠いです。


けど書きたい!



意識が浮上すると同時に身体中に激痛が走る。まだ、死ななかったのかと、目を開けようとするが、右眼が開かない。仕方なく、左眼だけ開き、眼だけを動かす。空は雨が降り続き、スキアの体温を奪う。周りは瓦礫や木の破片が散乱しており、上を見ると屋敷があった場所だけが崩れていた。近くからは海の水しぶきが聞こえ、崖の下の小さなスペースにギリギリ落ちることができたのだとわかる。スキアは剥き出しの岩壁に背を預けるような形になっていた。

何とか体を動かそうとしたが、右足も動かないと見てみると太ももくらいからごっそりと無くなっていた。

「あの・・・時か、」

何かブチブチッと嫌な音がしたが、これだったとは。

もう身体を動かす気力もない。左腕もあらぬ方向に曲がっており、動かすことは叶わない。

それにこれだけ血を流せば、自分がもう長くないとわかる。



そんなことを考えていると前の方で何かが動いた。なんとか意識を繋げてそちらを見ると、あのドラゴンがそこにいた。

咄嗟に殺されると思い、身構えたが、その場から動くことなく、こちらを向き、真っ直ぐ睨みつけている。よく見ると片方の羽翼に崩れた岩が乗り、動くことができなくなっていた。

ドラゴンは翼が命。こんなことでは傷つかないだろうが、下手に動いてさらに被害を出すのを予想して動くことができないのか。あとはどかしても、しばらくは動かない、か)


「どうやら、お互い動けないらしいな」

「グルルル・・・」

「安心しろ、どうせ俺はここで死ぬ。お前が動けるようになったら、俺を殺しても構わないし、怪我を直したら直ぐに飛べるだろう」

ドラゴンは唸るのをやめ、ジッとこちらを見る。

スキアもどうしたのだろうと目を逸らさずドラゴンを見つめる。

暫くお互い見つめ合っていると、ビチャリと歩く音がした。バッと音のした方を見ると、水に濡れた大きな白い虎がこちらに向かってきた。

水虎ネロタイガー、」

その月によって、出てくる魔物モンスターは違ってくる。

水の月に入り、一番出現が高い魔物モンスターはこの水虎ネロタイガーだ。水虎ネロタイガーはその名の通り、水の魔法を使う白い虎の様なもの。

その性格は気性が荒く、出会うものは例え敵う相手でなかろうと襲い掛かる。



その水虎ネロタイガーが目の前におり、そしてスキアより近くにいて、動けないドラゴンを標的に捕らえ、襲い掛かった。

しかし行動が制限され、飛べないドラゴンと自由に動き回り、水の月により力が増している水虎ネロタイガーではいくら強いドラゴンでも限界がある。


翼が痛んだのか一瞬動きを止めてしまったドラゴンの隙をついて、水虎ネロタイガーは牙を剥き出し、喉に咬みつこうとした。

その時、コツンと頭に小石が当たり、水虎ネロタイガーは頭を振り、小石が飛んできた方向を見る。

そこには息を切らしながらもう一つ石を掴んで投げようとするスキアの姿。

水虎ネロタイガーは標的をスキアに変え、飛びかかった。スキアは身体を前に倒す。そしてドカンッとスキアが寄りかかっていた岩壁に頭をのめりこませ、もがいていた。

その隙にスキアは無理やり這いながら、ドラゴンの方に近づく。

ドラゴンは直ぐに警戒し、牙を出し、睨みつけていたが、そんなことを気にすることなくスキアはドラゴンに近づいていき、翼の上にある岩をどかそうとしだした。

「・・・俺の感は、お前をここで死なせてはいけないと言っている」

しかし、そのあとこの場には似合わない笑みをドラゴンに向ける。

「と、言うのは嘘でな。あの夜、お前を初めて見たのに、何故かは知らないが心が踊った。そして今、お前はこんなところで死なすわけには・・・。いや、俺がお前に死んでほしくない。そう思った。」

ドラゴンは僅かに眼を見開く。

だが、そうこう話しているうちに、ガラガラッと後ろから崩れる音がして、スキアを大きな影が覆う。ドラゴンは咄嗟に、首を動かし、スキアを突き飛ばしたが少し遅く、水虎ネロタイガーの口がスキアの左腕を捕らえる。そのままスキアを巻き込み、翼の上にあった岩に突っ込んだ。


砂埃が舞う。


水虎ネロタイガーはスキアの左腕を離さず、スキアを思いっきり叩きつけた。

ブチリッとまた音がして、スキアは声にならない悲鳴をあげた。

そして最後の止めとばかり、水虎ネロタイガーが鋭い牙で喉に咬みつこうとしたとき、砂埃の中からドラゴンが飛び出し、黒い炎の玉が水虎ネロタイガーを吹き飛ばし、海へと落ちていった。

ドラコンの右眼には上から下にかけて小さな傷ができていた。そこまで深くはなかったのか、きちんと両眼とも開いて、スキアを捕らえる。

グラリグラリと地面が揺れる。

「、早く行け。先程の戦いでここは直ぐに崩れる。・・・俺は、ここで眠るとしよう。お前は・・・生きろよ」

スキアはゆっくりと左眼を閉じた。

揺れる中、ドラゴンは息のしていないスキアをジッと見つめる。すると何を考えたのか、スキアの服を口で噛んで持ち上げ、軽く上に投げ、自分の背中に乗せた。

そして前を見るとフワフワと色々な色をした球体に羽が付いている光にドラゴンは、ついていった。

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