第四幕 不幸な青年はドラゴンに会う
四幕ε-(´∀`; )
説明難しい(;_;)
わかりにくくてm(_ _)mすみません
スキアが振り向く。
そこにいたのは漆黒の竜だった。
スキアが今まで本で見たことがない姿をした竜。
大きさはそこまでなく、人の住む家に普通に入れる位の中型の狼のような姿をした竜。
その長い手足から生える鋭い爪から長いコウモリのような尻尾、さらに同じように蝙蝠の様な翼の先まで余すとこなく、全てを黒い鱗で覆われ、唯一、眼だけはスキアの瞳とは違う、赤よりも黒に近い褐色の眼だけはギラギラと輝き、尖った白い歯を剥き出していた。
そして四つの足で廊下を歩き、ユラユラと尻尾を揺らしならがらこちらに近づいていた。
怖いはずなのに、ほかの竜の王者としての、その姿から眼を話すことができなかった。
「・・・ハハ、」
スキアは渇いた笑いを零す。
わかっていたことじゃないか。
夢でも現実でも、この眼で見てきたじゃないか。
わかっていたはずなのに、願ってしまった。
叶うはずもない願いを信じてしまった。
『人間』をもう一度だけならと思ってしまった。
誰も自分を見てくれはしなかった。
只々、利用しよう、弱者を違うものを排除しようと使われただけだった。
「なんだ、こんなことか・・・」
所詮それだけだったということだ。
「だけど、」
黙って、殺されるわけにはいかない。
最後の最期まで、足掻いてやる。
病気で動かしたことのない身体は、ガクガクと震えている。
暑さで喉が渇き、肌がチリチリと焼ける。
生きてきた中で、経験したことがないこの状況に喜んでいる自分がいる。
「これが生きるってことか」
ならもう少しだけ感じていたい。
この命のやりとりを。
「まぁ、限界だがな」
もうすぐこの屋敷は数分もしない内に崩れ落ちる。
ならばせめて、この竜に殺されたい。
そして竜はこちらに黒い炎を口から発射させた。
スキアは咄嗟に横の扉に身体をぶつけるとバキリと扉が壊れた。そしてその部屋に入り、竜の方を見ると直ぐ目の前に突っ込んで来ていた。
「、は‼︎」
そして右前足を振り上げたとき、スキアは身体を捻らせたが、爪が右眼に届いた。
そしてスキアの身体が床に叩きつけられた時、屋敷が瞬く間に崩れた。
浮遊感に襲われる一人と一匹。
それでも竜ば諦めず、スキアの右足に噛み付いた。
右眼と右足に灼けるような暑さと激痛に襲われる。
ブチリッという音と共にスキアは意識を手放した。