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告白からの・・・

須賀くんが言ってくれた言葉に頭が真っ白になる。


急いで答えなきゃ、はいって、嬉しいって伝えなきゃって思うのに。


また私の体は固まってしまった。



「園・・・田?」


うんって、言いたいのに・・・・。


「泣くほど、嫌だった?」


涙が止まらない。


とにかく、返事はしないと。嫌なはずないって、伝えないと。

そう思って、頭をぶんぶん横に振った。


「泣かないで」


須賀くんが頭を撫でてくれる。

必死で深呼吸して、涙を止めた。


「あの、あのね」


「うん」


「・・・私も、好き、なの。ずっと、好きだった」


思いを伝えたら、なんかまた涙が出てきた。

せっかく好きって言ってくれたのに、泣き顔なんかあんまり見せたくないのに。


「よかった・・・」


安心した、と言ってぐいっと腕を引っ張られて、びっくりして目を瞑った後、目を開けたら前には須賀くんの胸があった。


ぎゅっと抱きしめられて、須賀くんの匂いでいっぱいになる。


相変わらず心臓はドキドキするけど、心地よいドキドキに変わった気がする。


「須賀くん・・・」


今まで頑張ってきてよかった。

そばに居続けてよかった。

変わらずに、好きでいてよかった・・・。


最後にこんなご褒美をくれるなんて、神様、ありがとうございます。


そっと離されて、またふんわり笑って、飯食べようと言われた。



それぞれに食べ終わり、また目の前の遊具を見ながら、一息つく。


今はもうそこには誰もいない。


会話はないけど、心地よい空気。

穏やかな気持ちなんて、久しぶり。


恋って楽しくて、嬉しくて、ドキドキするものだけど。

それと同時に苦しくて、辛くて。


それは一人で悩んでしまっていたから。


相手に気持ちを伝えられない辛さはもう味わいたくない。

これからも。



「あのさ、なんか・・・ごめんな。緒方にちょっと聞いたけど。俺、鈍感で全然気づいてなくて。嫌な思いとか、いっぱいさせたよな」


は?珠美と話した?・・・何を言ったんだろう。

恥ずかしいやら気まずいやら・・・。


「いや、あの、須賀くんの事好きになったのは結構前で、でも何も言わなかったのは私だし。それでもそばにいたかったから。辛くないって言えば嘘になるけど、今、こうしていられるから・・・」


「園田・・・」


須賀くんの手が伸びてきて、また抱きしめられた。


「ありがとう。・・・可愛いな、園田」


抱きしめられる手に力がこもる。


「好きな子にそんな風に言われたら、俺だって男だから・・・」


その言葉に体が固まる。

何?男の子って、どうなるの?


「いや、まだ始まったばっかりだし。うん」


自分に言い聞かせるように小さな声でブツブツ言ったあと、体を離された。


「本当はさっきの園田の言葉でキスしたくなったんだけど。ゆっくり、俺たちの速度で進んでいこう?」


ぼっと顔が赤くなったのが分かる。

キキ、キスですか!?

うん、ゆっくり、進んでいけたら助かります・・・。


「だから今日はこれで我慢する」


そう言って、額にチュッと唇の感触がして、ますます顔が真っ赤になったのは言うまでもない。




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