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「僕といて、幸せ?」
そうじゃないだろう、と確かめる風に彼は問う。
「ええ」
彼の目には、表情のない女が映っている。
「本当に楽しい?」
辛いんじゃないか、と念を押す様に尋ね返す。
「そうよ」
彼の瞳の中で、うろたえた女が盛んに首を振っている。
「それなら、どうして」
澄んだ双眸が鏡さながら張り詰める。
次の瞬間、大きな目の端まで透き通った光が溢れた。
「君は、そんなにも怯えてるんだ」
もう彼の顔がまともに見られない。
あたしは青幇の女。あなたを罠に陥れようとしてるのよ。