第2話 やめられない癖
昼のチャイムが鳴った。
「佐倉ー柚木ー飯食おうぜー」
「おう」
「うん!」
朝話しかけてくれたやつは渋谷というらしい。
「俺ちょっと購買行ってくるから渋谷と藍は先食べてて」
「りょうかーい」
俺にはどうしてもやめられない癖がある。それは──
「ただいまー」
「お、帰ってきた」
「何買ったの?」
「…肉まんとチョコスティックパン」
「すげえ組み合わせだな」
「つい癖で…」
「ふっ、どういう癖だよ」
どうしても肉まんとチョコスティックパンを買ってしまうことだ…。自分でもわかっている。もうあげるやつはいないことを。癖とは怖いものだ。
そんなことを考えていたら藍が話しかけた。
「ねぇ悠琉、それ1口頂戴」
「肉まん?いいよ」
「やったー!いただきまーす」
「いや皮しか食ってねえじゃん」
「いいの!ここが1番美味しいの!」
「チョコスティックは?1本あげるよ?」
藍は思い出した。
いつも悠琉のチョコスティックパンを食べようとしたら、
「だーめ。これチョコ入ってるから。ナツには毒だよ」
と、食べさせてもらえなかったことを。
「あー僕お兄ちゃんから『体に悪いからチョコスティックなんて食べちゃダメ!』って言われたんだよね」
「あ、そうなの」
「だから大丈夫!」
すると渋谷が悠琉に話しかけた。
「佐倉、俺にもくれよ」
「お前にはあげねえよ」
「なんでだよ!」
「愛嬌がねえからな」
「じゃあなんで柚木はいいんだよ!」
「可愛いから」
「くっそ…これがルッキズムか…」
そのあと、渋谷が拗ねて悠琉が見ていないうちにチョコスティックパンを1本盗って食べたのであった。(もちろん悠琉にバレた)




