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暴虐皇子のやり直し「同じ失敗は繰り返しません!」  作者: nayaminotake
第一章 暴虐皇子のやり直し開始

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第21話 忠臣たるには・・・

生徒会室をジャックした俺の説明演説から一夜明けた


音声入力用の魔道具を手にして、思いついた事を口にしていた時は何処か気分が高揚しておるり学生寮に戻った後も何故か清々しい気分になっていたが


一夜明け冷静になってみれば、リリスに掛けられた冤罪を晴らす為とは言え、自分自身を落とし過ぎてしまった事に溜息が漏れる


「自分で愚か者とか言ってちゃ世話無いよな・・・こんなので帝位を継げるのか?」


やり方は俺に一任されたとは言え、結果が出なければ陛下からの評価も地に落ち、昨日の放送を聞いて居た未来の俺の家臣となる貴族達からは「無能」と後ろ指を刺される事になる


それでは、せっかく最悪の結末にならない様に「正しい選択」をしてきても、最終的にあの時と同じ様に家臣や民心が離れてしまい、結果的に謀反に繋がるのでは無いだろうか・・・


いや、その可能性が非常に高い


しかし、既に賽は投げられた...後には引けない、とにかくリリスへの不当な評価を覆す為の布石は打った

後は例の元取り巻き2人が、今回の俺の演説を上手く利用しリリスは被害者である事を生徒達に流布して貰うだけだ


問題はグネビーだ、あの最悪女は1年のBクラスではカリスマ的な立ち位置だ


持ち前のコミュ力と人懐こい笑顔で、瞬く間にクラス全員の心を掴み学年、いや学校内でも指折りの人気を誇る


そんな最悪女が「嫌がらせを受けている」と噂になり、それが最近俺との距離が近いからだと言う話しから、その元凶が俺の許嫁であるミョルニル侯爵令嬢だという事になったが


「まてよ・・・よくよく思い返せば、リリスの口から直接リリスの名が出たわけでは無いよな・・・」


そう、あの最悪女は言葉巧みに周囲を誘導しリリスという個人名を出す事無く、自分への嫌がらせの犯人に仕立て上げた・・・いやもっと言うと、嫌がらせを受けてるとすら口にしてない


ただ、ボロボロの筆箱だったり泥で汚れた鞄だったりを悲しそうな表情で見つめるグネビーの姿から周囲がそう勘違いした・・・って可能性も有る


とすれば・・・


グネビー=ロルヴァという最悪女は学生達の心を掌握する術に長けた策士である


そんな女が、この程度で屈するとは到底思えない、早々に次の手を打って来るに違いない

そして、狙いである俺があてにならないとなれば・・・


コンコン


ドアがノックされ


「アーサー様、朝食の時間ですご準備はお済ですか?」


ドアの向こうからランスロットの声が聞こえて来た


「あぁ今行く少し待て」


ベッドから降り、ズボンとシャツを着替え手櫛で髪の毛を整えると数分で準備は終わりドアを開ける


「ア、アーサー様・・・そ、その昨日の件・・・」


おそらく昨日の放送の件で俺に聞きたい事でも有るのだろう、ランスロットが何やら言い淀んでいる


「朝食が先だ」


そんなランスロットを無視し、スタスタと寮の食堂へと向かう俺を見てランスロットは慌てて追いかけてくる


!?


俺が食堂に入ると、談笑していた男子生徒達の声が一斉に静まり返る・・・そして全員が俺の方へと視線を向けて来た、いずれも好意的な眼では無い、嘲笑、侮蔑、敵意とも取れるその空気にランスロットが俺の前に出て全員を威嚇する


「お前等、アーサー様に対しその態度は何だ!!不敬だぞ!」


俺の為に怒ってくれるランスロットを、何も知らない俺であれば頼もしく思い、今まで以上の信頼を寄せる事だろう・・・だが


『クククク、アーサーよ今度は俺がお前から欲しい物を頂いてやるぜ・・・』

『俺がこの大陸の覇王になってやる。せいぜいあの世で指を咥えて見てよ、あぁお前が行くのは地獄か?アハハハハハハ』


燃え盛る玉座の間で俺を足蹴にしながら、そう唾を吐きかけたヤツの憎悪に歪んだ笑みを俺は忘れる事が出来ない


「よい、ランスロットこれも俺の選んだ道だ」


そランスロットの肩に手をおき、制止すると食堂のトレーを手に取りビュフェスタイルの料理を取り揃えて行く


「で、殿下その様な事私が!」


慌ててランスロットが俺の手からトレーを奪おうとするが


「よいと言っている、自分の喰いたいモノは自分で取る、お前も自分のだけ用意しろ・・・先に席に行ってるぞ」


其れだけ言うと、Sクラス専用のテーブルスペースに腰を下ろしテーブルの上に先ほど料理を取り揃えたトレーを置く

少し遅れてバツが悪そうに俺の前に座ったランスロットは、俺の方をチラチラと見ながら朝食を採っていた

俺は片目をあけ何度かランスロットを伺うが、何やら混乱し悩んでそうな・・・そんな不安が表情からうかがえる


(まぁ今の所俺の障害になる様な行動はしてないからな・・・ザッハと同じく警戒しつつも暫くは様子見・・・かな)


●ランスロットside


最近アーサー様の様子がおかしい・・・

自分の思い通りにならないと、すぐに癇癪を起す気性の荒い性格だったのにここ最近はそれが見受けられない

それもこれも、グネビー=ロルヴァとかいう男爵家の下級生と親しくなってからだ・・・いや、そうじゃない


そのグネビーとも最近めっきりお会いにならない、前は頻繁に寮の門限を無視しグネビーを連れまわしていたがここ数日・・・殿下がヴァルハラ皇城に登城されて戻られてから一切お会いにならない


もしかしたら、マーリン陛下から何かしら御叱責でも、賜ったのだろうか?


何れにしろ、殿下の変化は異常だ・・・それに従者であり幼い頃からの友である私を明らかに疎まれて避けて居られる・・・私が何か殿下のお気にさわる様な事をしたのだろうか・・・


そんな折に、あのルシウスの陰湿な策謀による殿下の音声魔道具による生演説


いかに上級生で生徒会長という立場とはいえ、アーサー様にあのような恥をかかせる等、同じ公爵家の者として到底看過できない


今日は男子寮の食堂で、あの陰湿野郎を殿下の前で断罪してやるつもりだったが、賢しくも察したか奴の姿は食堂には無かった・・・その代わり他の連中のアーサー様へと向ける視線


明確な敵意を感じ俺はアーサー様を守る壁となる・・・が・・


「よい、ランスロットこれも俺の選んだ道だ」


殿下は怒る事も悲しむ事も無く淡々と自分の食べる物をトレーへと乗せて行く・・・俺は慌てて殿下からトレーを受け取ろうとするが、それも自分ですると拒絶される


(何故だ・・・何故殿下は俺を頼って下さらない・・・俺を信じておられるのか?・・・・)


何度も何度もアーサー様に視線を送るが、殿下は目を閉じ黙々と朝食を口に運ばれるだけ・・・


(一体何が起きている?誰かの入れ知恵?策謀か?誰の・・・ルシウス?あの男爵令嬢?それとも、婚約破棄されたリリスか?・・・誰が俺の邪魔をしている・・・誰だ)


(いやそもそも、俺は・・・アーサー様に心からの忠義をつくして行けるのか?)

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