第14話 悪役令嬢と元取り巻き達
「なっ!?いない!!クソッどこに行きやがった!!」
ランスロットとのやり取りをしてる間に3人は教室から居なくなっていた・・・
俺が平民との決闘を降りた事で、カリンとミレーユの嫌がらせの理由が無くなり再び3人で仲良くサロンで昼食をとっているのか?
だとすれば大いに結構・・・だが、あの二人の陰湿さはそんな底の浅い物には思えない。
そもそも、仲直りする気があるなら、今日あえてリリスの傍から離れた席に座る事は無いはず・・・
「ちっ!!」
俺は、教室を飛び出し連中がリリスを連れ込みそうな場所を探して駆けまわる
(全部、思い出せ!アドルがリリスを連中から守った時の話を!)
学園内を駆け回りながら、頭の中では1周目にグネビーが作ってきた、手作り弁当を中庭で一緒に食べていた時に、途中から合流したランスロットから聞いた噂話を必死に思い出していた・・・
『にしてもお聞きになりましたか?アーダー様、例のリリスの事・・・最近じゃお気に入りの平民の男をペットの様に傍にはべらせて、文字通り「番犬」として使ってるみたいですよ?最近じゃ例の元取り巻きの女二人にも毛嫌いされて、校庭の備品倉庫の裏で・・・』
「備品倉庫裏!!」
校舎内は女子トイレ以外はあらかた探し回った、俺は思い出したくなかったが1周目のランスロットの言っていた噂話の手がかりを元に、校舎を飛び出し広い校庭の端にある備品倉庫へと向かった
「はぁはぁはぁ・・・ここか・・・」
全力で走ってきたので息が切れる・・・額から顎にかけて流れる汗を腕で拭い、ゆっくりと足音を殺し倉庫へと近づく
「・・・・て、ことなんでしょ~?アハハ」「・・・・不潔な事を、フフフフ侯爵令嬢が聞いて呆れるわ」
「その様な根も葉もない噂で我がミョルニル侯爵を愚弄すか!」
倉庫の裏・・・校舎や校庭から見えない死角の方から3人の声が聞こえる・・・ゆっくりと近づき耳を澄ます
「でも、リリス様があの平民の男を雇って殿下にけしかけた・・・って皆噂してますけど?」
「それねぇ~なんか1万ゴールドぽっちで雇ったとか、リリス様が誘惑されたとか、噂になってますよねぇ~」
「なっ!?私がその様な下劣な真似をするか!その言葉取り消せ!!」
「あぁハイハイ、知らない様なのでリリス様に教えてあげますよ?貴方が今学園でなんて呼ばれているのか」
「下級男爵女に婚約者を寝取られた、微妙に哀れで情けない侯爵令嬢・・・「ビ(微)・ミョルニルのリリス」って呼ばれてるのよ?」
「私個人に対する誹謗だけに飽き足らず、我が家名までをも愚弄するか!!」
パシッ
倉庫裏に乾いた音が鳴り響く。
「っ!?こ、これは・・・もはや言い逃れ出来ませんねぇリリス様?」
「私もこの目で見ました、ミョルニル侯爵のご令嬢ともあろう方が殿下に婚約破棄された腹いせに、自分より立場の弱い者に野蛮にも暴力を振るった・・・ほら、カリンの頬にはしっかりと証拠が、あぁ口も切れて血が!まぁどうしましょうか?ねぇリリス様?クククク」
「貴方達ぃぃぃ!」
「おぉ怖い怖い、もっと殴られてしまいますわぁ~誰かぁ~」
「おい、こんな所で何をしている?」
右手を振り上げ見た事の無いほど、怒りに顔を真っ赤にしたリリスと、下卑た笑みを見せながらそんなリリスを嘲笑う様に抱き合うカリンとミレーユが、俺の方へと一斉に顔を向ける。
「ア、アーサー様!?」「殿下!?」「なっなんでこんな所に皇太子殿下が!?」
●アドルside
俺を馬鹿にした女教師が自宅に訪問して来て追い返した以降も俺が学校へ通う事は無かった
まぁいわゆる「引きこもり」って奴だ。
だが俺はただの引きこもりに甘んじるつもりは無い、俺の青春を無茶苦茶にした連中へ復讐を決意し決行した。
手始めに、クラスの連中が俺をイジメていた時にスマホで録音していた音声データを添付した、メールを県の教育委員会へと送りつけた、それと同時並行で、あの女教師と不倫していた隣のクラスのイケメン教師の家に、同じく写真付きの密告文を郵送してやった。
さらに匿名でSNSという混沌とした闇にその動画や音声データを無編集で垂れ流した
結果は俺の想像を超える愉快なものだった、俺をイジメていた主犯格の連中は学校を無期限の停学、まぁ事実上の退学勧告処分となり、音声データには無かった連中も俺への嫌がらせを芋づる式に掘り返され更なる地獄に・・・
そしてもっと愉快だったのは俺を馬鹿にしていた女教師とイケメンの既婚者教師の末路だ
まず女教師は当然だが、相手の奥さんから訴えられ慰謝料を請求された上、俺へのイジメの件も併せ教育委員会と学校、PTAからボコボコに袋叩きになり、精神を病んだ挙句、逃げる様に学校を去って行った
そしてもっと悲惨なのはイケメン男性教師の末路だ、不倫を知った奥さんから離婚を突き付けられ、慰謝料と子供の養育費を請求された・・・だけに終わらない、なんと自分のクラスの女子生徒複数人にまで手を出していた事が判明し、そのまま逮捕、当然だが懲戒免職と教員免許の剥奪となる
地元紙だけでなく、SNSでも実名の顔出しで拡散されてしまい今後の奴の人生は地獄まっしぐらだ
あぁいい気味だ
ただ俺の気が晴れたのは一瞬だ、その後は俺にも不幸が訪れる
それは学校の騒動が沈静化してきた頃、連日俺の家にも報道が押しかけたり、校長や教頭、教育委員会の面々が謝罪と言いながら押しかける様になった・・・その対応に追われた母親はストレスで参ってしまい入院する事になる
母親の入院治療費は親父の保険金と貯蓄で何とかなるが、問題は俺だ
俺は食う為に仕方なく日雇いのバイトを始める羽目になる・・・中卒のニートが出来るバイトは限られているがやるしかない
母親はその後も体調を崩しがちに・・・入退院を繰り返す事になる
ついに俺は自分の日雇いの金だけでは生活出来なくなり、親父が老後にと残した貯金に手をつけた
俺はその日初めて、風俗に行き童貞を捨てた・・・最初の相手が40過ぎのババアだったのはショックだったがなんだかんだで、俺も30歳手前・・・生まれて初めて自分の手でしない行為を体験し気分はハイテンションだった
「そうだ、あのゲーム課金で追加コンテンツ解放したらリリスのエロ画像が見れる様になるはず・・・いっちょ買っちゃうか!」
風俗に行った事で、いつも俺の事を汚物の様に見下してる女になんだか勝った気になり俺は意気揚々だった・・・
そして俺は今日も親父の貯金を無計画に引き下ろし、電子マネーをコンビニで購入すると自宅に帰り、PC画面を立ち上げ、最近ハマってるゲームを起動する
『乙女ゲームのモブに転生したから、婚約破棄された令嬢と親密なお付き合いを始めました! 見せちゃう♡バージョン (R18指定)』




