5話
今日も今日とて日課の城内散歩中の僕です!
少し開いてる扉がある。
ここは図書室だよ!僕もたまに使うよ、主に新刊の題材探しで!!
誰か居るのかな?中を覗いてみよう!
そこには窓辺に腰掛けて本を読んでるアイゼア兄様のお姿が!!
か、絵画〜?!?!!!
えっ、これ王宮絵師呼ばなくて大丈夫??
教会の天使の絵画ってお金払わなくても見ていいもんなの?!
…病弱な、深窓の、公爵令息か…
なるほど、と考え込んでると
「なーにしてんだよ!!チビ!!」
と大きな声と共に僕の背中に抱きつく形になるワイアット兄様。
「わぁ!重いです!ワイアット兄様!」
年の差と体重を考えて欲しい。
…しかしこれは人懐っこいワンコ系受けor攻めだな。病弱な深窓の令息にどうやって絡ませよう…
ふと顔を上げるとアイゼア兄様と目が合う。
「お騒がせしてます。」と苦笑いしながら、アイゼア兄様に挨拶してみる。
こちらを少し冷めた目で見ているアイゼア兄様もなんと絵画 。
あれ?視線が合わない?あぁ、ワイアット兄様と見つ合ってるのか。
……?えっ?!見つめあってる?!?!えっ?!?夢じゃない?!?!????えっ!?!?!!??夢じゃない?!?!
アイゼア兄様×ワイアット兄様もしくは、ワイアット兄様×アイゼア兄様がある世界線に来た?!?!
「…ミオ、一緒に読書でもどう?この本を読んでる人が少ないから、感想を語り合いたいんだ。君は、確かライリー兄上と稽古だっただろ。行ったらどうだ?」
「ライリー兄様は…今、出し忘れた課題に追われてんだよ。…それに!読書なんて、んな埃くせぇことしねぇよな!チビ!母様たちの庭園見に行こうぜ!!2人でな!!それか庭で前話したリスでも見に行くか!?」
僕の手を引くワイアット兄様。
「…申し訳ありません。アイゼア兄様、ワイアット兄様。僕、用事を思い出しまして…これで失礼しますね!」
不服そうな二人の視線を感じながらも、自分の部屋へと戻っていく。
大変申し訳ないが僕はそんな場合ではない。
…公爵家の庭師見習い(無邪気)×深窓の公爵令息(薄幸)アリだな…いやでも深窓の令息(執着)×庭師見習い(鈍感)も良いな…
どっちが攻めでどっちが受けかを考えなきゃいけないのである!