閑話「とある王国の昔話」
昔むかし。
とある王国を、滅ぼそうとする魔王がおりました。
その魔王を倒すべく戦士と斥候と魔法使い、
そして伝説の剣を持つ勇者が魔王の前に立ちはだかりました。
激闘の末、多大な犠牲を出しながらも勇者は魔王を封印し、王国に平和をもたらしました。
「その勇者『ウィリアム』の末裔が我ら王族だよ。」
リアン兄上が絵本に描かれていた「建国の物語」を読んでくれた。
「そうなんですね!勇者の血が兄様たちに流れてるなんてすごい!」
「お前にも流れてるだろうが。」
ライリー兄上に突っ込まれる。
「そっか!そうですね!!……なら……?」
「どうしたんだい?ミオ?」
小首を傾げて僕の顔を覗き込んでくるアイゼア兄様。
「封印された魔王は、どこに封印されているのでしょうか?」
「あー?この城の地下に封印されてるとか、石版に封印して勇者が持って、封印が解けないように見張ってるとか、諸説あるよな。」
ワイアット兄様が教えてくれる。
「……?この城って地下ありましたっけ?」
「ないね(な)」
リアン兄上とライリー兄上の声が重なる。
「どうして、この城の地下なんて話が出たんだろうね。」
僕もアイゼア兄様と一緒に首を傾げてみた。
「どーせ、あるかないかの昔話だから、気にしなくていいんじゃね?」
そんなワイアット兄様の一言で建国の物語の朗読会が終わった。
余韻とかあったもんじゃないね、ワイアット兄様!
――――――
…は…ぁ〜〜〜っ
建国の神話があんなに妄想しがいのある話だなんて、知らなかったぁ〜!!
「僕、勇者パーティの魔法使いが女の子なのを初めて知ったよ!!エマたちは知ってた?」
「私は、存じ上げませんでした。絵本などでは性別を明記されてるものが、殆どないですので。」
「だよねぇ。」
「…私も、知りませんでした。」
「あたしは、たまたまなんスかね?魔法使いが女の子の絵本を読んだことがあるッス!」
「ある所には、あるんだね!」
「…ねぇねぇ、
・執着系魔王×自己犠牲系勇者
・鈍感系勇者×片思い系斥候
・チャラ男系斥候×堅物系戦士
・初心系戦士×誘い受け魔王
どれが良いかなぁ〜」
侍女ズ「「「どれも描きましょう」」」
ミオ「だよねぇ!!」
提案した逆カプも描いちゃお〜!!
……この時、僕が魔王を封印から解くだなんて知る由もなかったのだ!




