10話
今回、短いです。
ある日のこと
原稿作業で修羅場ってる、僕と侍女ズ三人です。
ふと頭によぎり呟かずにはいられなかった。
「ねぇ魔王ってさ、受けかな?攻めかな?」
…終わらない戦争の始まりであった。
「攻めかと。傍若無人。傲慢な態度。多くの魔物を束ねるカリスマ性。勇者をも軽くあしらう無類の強さ。くっ殺状態の受けに対して「口では強がってみても身体は正直だな」と悪い笑みを浮かべながらの、ほぼ合意ナシおセッ…おっと失礼。これは唯我独尊系攻めになるかと。」
わぁ、エマってば、僕に負けないぐらいの早口!
なるほど、エマの魔王は『強いものこそ正義!』タイプなんだね!
「受けかと。身内だけは見せる慈愛の笑み。任務を遂行出来なかったとしても「我の判断を見誤っていた。」と庇ってくれる、寛容さ。多数の種族を束ねる包容力。街ひとつを攻め落とした褒美に、自身の身体を要求されても「褒美を授けると言ったのは我だな。」と絶対、脱いでくれるはずですし、無類の強さだからこそ慢心し、攻めに敗北したあとの分からせセッ…おっと失礼。これはママみつよつよ系受けかと」
わぁ、エリって僕に負けないぐらいの目の血走りよう!
ふむふむ、エリの魔王は『身内には甘く、たまに慢心しちゃう』タイプなんだね!
…エマとエリは城下町のチンピラも逃げるレベルのメンチの切りあいをしてた。
もしかしたら魔王も逃げるかな?
気を取り直してエナにも聞いてみる。
「エナは?」
「うーん、そうッスねぇ…時と場合によるッスね。味方の魔物に叱咤激励の合間に見せる、聖母の微笑みは受けですし、勇者との戦いの中で輝く闘争と、どこまでも余裕を持て余すその姿は攻めですし。」
迷うッスねぇ…ま、あたしは、なんでもおいしいので!の回答
うん!エナはブレないね、さすが!!
ミオ「…脱稿してないけど、次の新刊描きたくなっちゃったな…」
エマとエリを見ると、まだメンチ切りあってる。
もう!メンチの切り合いはしててもいいけど、手ぇ動かしてよぉ!!
そんな穏やかな午後
作者は絶対左右固定マン