7話
そろそろ城内のお散歩もネタ切れが否めないので、久々に侍女ズを連れて城下町へ行く僕です!!
と思ったらライリー兄上とワイアット兄様がどこからか聞きつけたらしく、
「「護衛役だよ!護衛役!!」」と着いてきちゃった…。
…ベテラン護衛×ワンコ令息…ワガママ令息×面倒見良し護衛…うぅん悩むな…
でも前に護衛×令息描いちゃってるし…
(でしたら、先輩護衛×後輩護衛もよろしいかと)
護衛×護衛か…エマ、ナイス!
(今度こそワガママ令息×ベテラン護衛を描きましょう)
エリってばそんなに『令息×護衛』描きたかったの?
(俺様剣士×初心者勇者様っすかねぇ…)
…ほほぅ、護衛と令息に縛られない発想。さすがエナ!
こんなことを目線でやり取りをする僕たち。
本当は出版社に顔を出したかったのだけれど、さすがにライリー兄上とワイアット兄様を連れていく訳には行かないので、
二人の買い物を後ろで見守ることにした。
「これとかどうだ?」
「わぁ!母上のお土産に良いですね!」
ライリー兄上がワイアット兄様に第2王妃様の瞳の色と同じピアスを宛てがう。
…スパダリ執事×執事に恋慕してる系主人…いい…!!
「素敵ですね!」
ニコニコしながら賛同する僕と、
「「「よろしいかと」」」
ちゃっかり僕の妄想にも賛同できる返答をする侍女ズ、やりおる。
「こっちも捨てがたいですよ!いかがです、兄様?」
「ふむ、こちらも捨てがたいな。」
にぱっとした笑顔から不意に大人びた顔をしてライリー兄上に、第二王妃様の髪色のブローチをライリー兄上の胸に宛てがうワイアット兄様。
…はわ〜裏の顔がある系ショタ執事×包容力マシマシ主人もありーー!
「悩みますね!」
プレゼントも悩むけどカプも悩むなー!!
「「「素敵です。」」」
…大丈夫?侍女ズ?僕の妄想の賛同だけになってない??
「チビもついでだ、何か買ってやろう。」
「あっ!オレも!オレも買ってやるからな!!オレもお前の兄貴だからな!!」
第二王妃様へのプレゼントが決まったのか、こちらを向いて太陽のような笑みを浮かべるライリー兄上とワイアット兄様。
わぁ!店員さんもお客さんたちも顔が真っ赤っかだ!!
…俺様兄系攻め×人懐っこい系弟系受けの、年差カプとかもいいかも〜〜。
「…僕は以前、街を視察した時に済ませてますので!大丈夫です!!」
「遠慮するな!それにリアンとアイゼアが悔しがる顔を見れるしな!」
ニカッと笑うライリー兄上
…攻めor受けの嫉妬を誘う系のキャラか〜〜!
どうしよう…と悩んでいると、
エマがそっと「そろそろインクが切れる頃合かと」と耳打ちしてくれた。
さすが僕の腹心!わかってるぅ!
「…それでは文具類を、インクもそろそろ尽きそうでして…」
「お前ほっっんとに勉強好きだよな!」
苦笑いしながら僕の頭をグシャッとするワイアット兄様。
…インクの殆どは勉強ではないことで消えるので少し罪悪感がある僕なのである。