アヤとの再会
~~ 二十年後 ~~
エミは天界へと戻り、また神官として働き始めていた。
ある日、地球での一生を終えたアヤが天界へ戻って来るという知らせが入った。エミは急いで下界へとつながっている場所へと向かった。そこにはアヤを出迎えるために、多くの人が集まっていた。そして、その場はまるで地球で赤ちゃんの誕生を心待ちにしている人達の集まりのようだった。
「ただいまー」
間もなくアヤが陽気に天界へ戻ってきた。すぐにエミはアヤに近より、満面の笑みで抱きついた。
「久しぶり!会いたかった~」
「私も!いっぱい話したい事があるわ!」
エミはそう言うと、他の者たちに遠慮して、後ろに下がった。
数日後、エミの家にアヤが訪れた。
「エミは地球でかなりの経験を積んだから、出世したのね・・。」
アヤは神官の上官に与えられる、立派な家を見まわして驚いていた。
「最初、こんな広い家に一人で暮らすのは嫌だったの。でも慣れると快適になってきたわ。」
「でも、ローランが住むには小さすぎるわね。」
アヤの言葉に二人とも笑い出した。
「そうだ、アヤはどうして地球に転生しようと思ったの?」
「私の生徒たちの中にも、地球に興味を持っている子が多いの。だから私がまず地球人を体験して、生徒に地球の事を伝えようと思ったのよ。」
「そうだったの。アヤは地球に、また行きたいと思う?」
「ん~ ん~!」
アヤのうなり声と、思い切り首を何度も横に振ったしぐさに、エミは大笑いした。
「でも、生徒たちに地球で生きる事は、すごく大変だとリアルに伝えられるわ。地球は天界と違って、あらゆることに制限がかかっている感じよね?恐怖心を味わえて、様々な事に洗脳されるゲームみたい。でも地球での人生が終わった時は、やっぱり全てが喜びだったと感じたわ・・。これも正直に伝えないと。」
アヤが働いている学校には数多くの転生希望者がいた。しかし地球は人口を減らすために、受け入れる人数も少なくなり、狭き門になっていた。
「どうして地球は人口を減らそうとする動きがあるのかな?」
エミが不思議そうに言った。
「たぶん、死が幻だと気づくとゲームオーバーなのよ。だから、地球は新しいステージに向かっているのかもしれない・・。だって、からくりを知ってしまうと、人生を純粋には楽しめないでしょ?」
「そうね・・、私も最初の人生は天界の記憶もなかったから、地球で生きている自分が全てだと思っていて、毎日、真剣に生きていたわ。」
エミも昔の記憶を思い出して、アヤに同調した。
「私は感情に任せて考えたり行動する事が多かったけど、エミはずっと天界の波動を忘れずに、出会う存在全てに、優しさや愛からの行動で生きていたわ。様々な神様が、エミがいるだけで地球が明るくなり癒されているって言ってたのよ。」
アヤは真剣な顔をしながら言った。
「私は、全ての人が自分らしく生きていて、どんな存在も素晴らしいと思っていたの。全てが喜びだと分かっていたけど、最後までネガティブな事が苦手だった・・。」
エミが残念そうに言った。
「そうだ!あの天満宮の神様が『エミが地球におる間は内緒やで』と言っていたことがあるの。」
「え?なに?」
「はじめて二人で天満宮を訪れた時、神様がローランにも会いたいと言っていたでしょ?あの後、ローランが天満宮を訪れると、神様がローランを怒鳴り散らしたらしいの。」
「え?ローランは何も言ってなかったけど・・。」
エミは驚いてアヤを見つめた。
「そして後日、またローランが天満宮を訪れて、神様に『必ずエミのことを一生、幸せにします』と宣言したらしいの。神様が『ええ男になっとった』と言っていたわ。」
明るく話し続けていたアヤだったが、エミの目に涙が浮かんでいることに気づき、優しく付け加える様に言った。
「そして私が天界へ戻る直前、ローランが現れて『エミの事をよろしく頼む』と言われたわ。」
エミの目から涙があふれ出た。そしてエミは、ゆっくりと話し始めた。
「・・少し前に白山の神様に会いに行ってきたの。神様が考えているよりも、かなり早く地球の波動が上がったから、ローランが地球で一生を終えるまでに、天界へと引き上げられるかもしれないと、おっしゃっていたの。」
「よかった!私はまたエミが地球へ行くかもしれないと心配だったのよ。」
アヤは心から安心したように言った。
「私が地球へ行っても、ローランの助けにはなれないわ・・。」
「エミは大役を果たしたわ。純粋な愛には地球の波動を上げるほどのパワーがあったのよ。エミが地球を去った後も、地球が一つになっていくような感覚が続いていたから、変化は加速していると思うの。だから、ローランはもうすぐ天界に戻って来るよ!」
アヤの言葉にエミは少しほほえんだ。




