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正体を明かす時

数ある中でこの作品を選んでいただいてありがとうございます。最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

「トウア、早く処理しろ! 汚いんだよ!」


「す、すみません。すぐに片付けますから」


「無能力の奴の癖してろくに料理も作れないのか? だから男なんて雇いたくなかったんだよ。でも女でもこんな料理ごめんだな」


 そんなことを言われ心を傷つけてしまった私。彼を睨んでしまいました。


「何だよ、トウア。その目は……」


 彼は舌打ちをしました。


「そんな目をするんじゃねえよ、何の戦闘能力のない無能の癖によ!』


 胸ぐらを捕まれると私のほっぺに彼の強い拳が入ります。その場で倒れ込む私。


 その時でした。彼に対する愛情がなくなったのは

「この俺に対してあんな目付きをするからだ』

彼の目付きは私を見下しています。


「コウマさん、いくら何でもやりすぎじゃないですか?」

 ニヤニヤしながら仲間の連中達は言いました。


「こんな女々しい奴、殴ったって何ともねえよ」

っとコウマが言って来たので

「女を殴る勇者なんて最低ですね」と彼に言ってやりました。


「何言ってやがる、貴様は単なる女々しい奴だろ?」


「もう良いです。勇者としてあなたの戦う姿に惚れ込んでこの勇者パーティーに入ったのに!」


 私は立ち上がり元のセリンの姿に戻りました。


「お前、まさか……本当に女だったのか!?」


 どうやら驚いているようです。コウマも周りの連中達も私の本当の姿を見て。


「見たら分かるでしょう。コウマさん、あなたを試すために今まで少年に姿を変えていたのです。申し訳ありませんが、もうあなたには何の興味もなくなりました!」


 私は早足でその場を立ち去ろうとした時でした。コウマに腕を捕まれます。


「待ってくれ。実は今、君に一目惚れしたんだ。殴ったことは謝る。だからこの俺様の女になってくれないか?」


 こんなことを彼は言ったのです。一体何を考えているのでしょう。


 私を殴っておいてその上、俺の女になってくれなんて勝手過ぎます。


 本当の姿を見せたら一目惚れなんてやっぱり父上、母上の言った通りアルファのいる月の世界との男と婚約した方が良さそうですね。


「離して! 私はあなたに殴られてから何の愛情もありません。良くもこんな気持ちにしてくれましたね! 私はここを立ち去ります!」


 私が間違っていました。私は勇者と付き合って結婚したいと考えていたのにコウマのせいで全てが台無しです。


 もう私には思い残すことはありません。私は今まで夢を見ていた勇者との結婚を諦めます。


 私は思いっきり腕を降るのですが、捕まれている彼の手が離れません。


「離して下さい! しつこいですよ!」


 私は必死で抵抗します。ですが私の手はとてもか弱いのでコウマの方に手が引っ張られます。


「そんなこと言うなよ。元々は俺様に惚れてこのパーティーに入ったんだろ?」


「もう私はあなたには興味ありませんから!」


 その時でした。アジトのドアが開いたのは…そこに立っていたのは見知らぬ少年でした。


 だ、誰? この人? 捕まれていた腕が離れます。

「お前……カナタ。何故ここに」


「半年前、お前に追放された恨みだ。俺は少しだけど強くなった。この俺と勝負しろ!」


「バカか? 雑魚のお前がこの俺様と勝負だと、スピードも力も何もかも劣るくせによ」


 コウマは余裕綽々で彼を見ています。


「そうだ、この俺様の格好良いところ見てもう一度惚れ直すんだな」


 そんなことを彼は私に言いましたが、私は彼にはもう興味がありません。


 どんなに格好良いところを見ても惚れるどころか逆に何にも印象が残りません。


「その女、お前の女か?」


 童顔のカナタと言う少年が言いましたが、私は否定します。


「違うわ! 私はこんな最低な勇者になんか興味ありませんから!」


 私はコウマに指を指して言いました。


「何だか良く分からないが決闘の邪魔だ。俺はコウマに勝つことにしか興味ない」


「おいおい、この俺様の格好良いところを彼女に見せて貰うのに決闘の邪魔とかはねえだろ」


「とにかく人気(ひとけ)のない広い場所で勝負だ。こんな狭いところでは勝負にならないだろうからな」


「そうだな、こんな場所では物が邪魔で仕方がない。お前の言うとおり広い場所に移動するか?」


 こうして私達はアジトから広い人気のない場所に移動することになりました。


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