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6話 収益化記念&10万人突破耐久

黒斗 チャンネル登録者 9.5万人


その文字を見た瞬間に俺は収益化記念&10万人耐久配信の告知を出した。


そして告知から1日が経ち配信当日、俺のチャンネル登録者数は8.9万人にまで下がっていた。



「はい皆さまこんにちは黒斗です。今日の配信は収益化記念と10万人耐久配信です。それで正直に聞きます。昨日の告知を見て直ぐにチャンネル登録外した人手を上げろ!」


:ノ ¥1000

:はい ¥200

yuki道:……はい ¥10000

:ノ

:収益化おめでとうございます ¥50000

:¥10000


「おお!スパチャありがとうございます。それとyuki道ママ何やってるんですか!それに他もほとんど毎回配信見に来てくれてる人達だし、何やってんだぁ!」


:あれ?今日って9万人耐久でしたっけ? ¥5000

:おめでとうございます ¥200

:今日は何するんですか?

:フユキちゃん25万人突破おめでとう! ¥500


「違います、今日は10万人耐久です。えーフユキさん25万人おめでとうございます。そのコメントはフユキさんの配信で言ってあげてください。それと今日は、マネージャーに相談したらこうしたら良いよっての教えてもらったので、それを発表したいと思います。はいドンっ!」


スタート 雑談配信


2時間突破 ゲーム配信


5時間突破 歌枠


6時間突破 朗読


8時間突破 凸待ち


12時間突破 鬼畜ゲー耐久配信


「はい、こんな感じです。あっ一応言っときますけど、これは突破したらやるじゃなくて、解禁方式だからやらない事もあるから、その辺は覚えとけよ」


:マネージャーGJ ¥5000

:これは12時間は行きましたわw

:12時間以降が無いからこのマネージャーはまだまだだな

:頑張れ ¥400


「はい頑張ります。あとこれは運営さんから言ってもいいって言われたので言いますが、ちょうど来週にですね、初の案件放送があります!はい、拍手」


:8888

:おめでとう ¥100

:何の案件なの?

:¥5000

:おめでとうございます


「そしてみんなの気になる案件内容は……、配信の最後で発表したいと思います!という訳で早く聞きたいって人は、さっさとチャンネル登録してきてね!」


:じゃあ明日かな?

:チャンネル登録の代わりにスパチャします ¥5000

:今日は案件発表無しか

:チャンネル登録してきました ¥100

:好きです! ¥10000


「そこ、今日は無しとか言うなよ。俺もお前らの事好きだよ。みんなスパチャありがとうございます」


――30分後――


黒斗 チャンネル登録者数 9万人


「みんな!登録者数9万人突破しました!」


:おめでとう ¥500

yuki道:黒斗くんおめでとう ¥10000

:おめ ¥1000

:好きです! ¥10000

:おめでとうございます


「本当にみんなありがとう!……っと喜んだけど、これでも当初より少ないってどう言う事だ?」


:急に素に戻ったからびっくりしたw

:まぁ、1日で6千人も減ったししょうがないってw

:あと、一万人がんばw ¥100

:喜ぶなら、最後まで喜んどけよ ¥50000


「あっ、五万円嬉しいです!ありがとう五万円!」


――1時間30分後――


黒斗 チャンネル登録者数 9.2万人


「そろそろ、ゲーム解禁だな」


そう言いながら俺は近くに置いてあった、家庭用ゲーム機のスウィッチをパソコンに繋ぎ電源を入れた。


「じゃあ今からこの前姫花さんと一緒にやった、スラブラをやりたいと思います。実は配信をやってから、アーちゃんが家に来るとよく一緒にやろうって、誘ってきてよくやるようになって、結構上手くなったんだよね」


:え、スラブラやんの?

:やめた方が……

アーちゃん:まぁ、あの配信よりかはマシになったから……

:アーちゃんだ! ¥10000

:うぉぉぉお! ¥5000

yuki道:アーちゃんかわいい! ¥5000


「お、アーちゃんじゃん、見に来てくれてありがとう。俺の成長をお前らに見せてやるぜ!」


俺は配信画面にスラブラの画面を映すと、そのまま前回同様マリおっさんを選びバトルを始めた。


そして人と言うのは何の根拠がなくとも、相手が自信満々に言ってきたら、少しでも冷静だったらあり得ないと言う事も、それは正しいと思ってしまう生き物だ。


それが例え1週間前の耐久配信で、ほとんど自分から落下死して行って、姫花さんに迷惑しか掛けなかった相手だとしてもだ……


:頑張れ ¥1000

:俺もアーちゃんとゲームしたい!

:本当にいけるのか?

:俺は黒斗の腕を信じる


コメント欄は黒斗を応援する声でいっぱいになったが……


ゲームが開始すると同時に、黒斗は相手が操るビリチューに一瞬で場外にまで持っていかれ、そのまま落下してその後も普通に黒斗は何もできずにやられた。


「っあれ〜?おかしいなアーちゃんと一緒にやってた時は、もうちょっとやれてたんだけどなぁ?もしかして相手プロとかなんかなのか?」


:弱えええwwww ¥500

:クソ雑魚じゃねぇか!

:この1週間何やってたんだよ!

姫花:はい姫の勝ち〜! ¥5000

:えっ!さっきの姫なの?

:何だ……姫にも瞬殺されるレベルか、

:もっと熱くなれよ! ¥888


「なんだ、さっきの姫花さんだったんだ。ならしょうがないな、だって姫花さん普通にスラブラうまいし」


:いや姫は……

:うんまぁ……ね

:本人が上手いって言ってるんだから上手いんだろう

姫花:そうよ!姫は最強なんだから!

:黒斗<姫花<<リスナー<<<<超えられない壁<秘密兵器


「よし、じゃあそろそろ気を直して、次の試合に行くか」


その後も勿論黒斗が勝つ事はなかったが、その中の試合でたまたま黒斗が、場外からの復帰を成功させた時は、コメント欄がスパチャと賞賛のコメントて埋め尽くされた。


――3時間後――


黒斗 チャンネル登録者数 9.5万人


:歌枠の時間だぞ

:早く歌歌え ¥100

:歌枠だぞ

:おい黒斗歌枠! ¥250


「いやー相手のマリおっさん強かったなー、さて次の試合試合っと」


:おら!早よ歌え! ¥5000

:歌へ ¥3000

:歌

:好き! ¥10000

:歌枠は? ¥500


「あー!もううっさいなぁ!わかったよ歌えばいいんだろ?歌えば。どんだけ俺の美声を聞きたいんだよお前らは……」


:そんなんいいから早よ歌え

:黒斗は歌上手いの?あんまり上手いイメージ無いけど

:どうせ下手

:くっそ音程外してて欲しい


「お前ら俺に歌えって言うくせに、何でそんなに俺への想像が最悪なんだよ。これでもそこそこ上手いと思うぞ?」


:はー、上手いとか解釈違いだわ

:チャンネル登録外してきます

:あんなこと言ってるけど、どうせ下手だって

:俺は下手な方に賭けるぜ ¥500

:便乗 ¥1000

:俺も ¥100


「お前ら人のチャンネルで、賭けをするな!そして誰か俺が上手い方に賭けろよ!それと、チャンネル登録外すなよ!」


:うわこの配信者リスナーに賭けを勧めてきました!

:うわ怖

:賭け事を勧めるのは良く無いと思います


「ん?何で俺が責められてるんだ?まぁいいや、それじゃあ一曲目は、【Prin'Sプリンス】の輝け夢よ です。」


※ 【Prin'Sプリンス】とはクラウンと同じ事務所に所属する、5人組の男性アイドルグループです。


歌枠は、黒斗が友達だったら絶賛する上手さだが、ライブなどでするとなるとそこまで上手く感じない、絶妙にイジりづらい上手さだった為、そこまで盛り上がらずに終わった。


――1時間後――


黒斗 チャンネル登録者数 9.5万人


「えー歌枠は何故か不評だったので、次は朗読会をやりたいと思います。俺に何か読んで欲しいものがあったら適当にコメントしてください」


:六法全書 ¥500

:赤本大学入試(文科) ¥2300

:アソパソマソはじめてのことば絵本

:ネクロノミコン

:広辞苑 ¥5000


「まともなやつが1つも無い……だと?と言うか、お前らはそれを読まれてどう思うんだよ!」


:頭が良くなる?

:知識が身につく

:しらん

:魔術を使えるようになる


「そうか、でもなそういうのはvtuberに求めんな、それと最後の奴ネクロノミコンなんて読んだら、お前ら全員発狂するぞ?」


:いけるいける

:俺SAN値高いから大丈夫

:俺も運には自信あるから


「何でそんなに自信満々なんだよ!って、これじゃあ拉致があかんから、安価で決めるから、適当にコメントを書き込め、そこに俺もコメントするから、俺のコメントの下になったやつを読もうと思う」


:了解

:ok

:わかった


そう言う同時にコメントが目で追えないほどの爆速で上から下へと流れていき、俺はその中に下向きの矢印をコメント欄に打ち込んだ。


そしてそれから少しすると、俺のコメントがコメント欄に反映された。


:↓

:広辞苑

:赤ずきん

:おっ広辞苑か?

:広辞苑w

:マジかwww

:広辞苑朗読放送って何だよw

:ワロス


まさかの俺が引き当てたのは、クソ分厚い本?辞典?で有名な広辞苑だった。


「はぁ?マジかよ。ちょっと待っててくれ広辞苑探してくるから」


そう言って俺は一旦配信から離れた。


:マジで広辞苑読むのかよw

:頑張れw ¥500

:草

:広辞苑朗読配信w

:もうこれ意味わかんないな


「ただいま、広辞苑あったから朗読始めるけど、お前らちゃんと最後まで聞けよ。眠くなったら寝る前にチャンネル登録忘れるなよ」


という訳で広辞苑朗読配信が始まった訳だが、勿論こんな配信が面白いわけがなく、黒斗も抑揚を一切付けずロボットのように淡々と読むせいで、余計に眠くなりそのお陰でチャンネル登録者数が爆増した。


――2時間後――


黒斗 チャンネル登録者数 9.9万人


「うわっもうあとちょっとで、10万人突破するじゃん。と言うか何で広辞苑で4千人も増えてんだよ。それに同接数も1万人から2.5万人に増えてるし、どうなってんだよ」


:トゥイッターで小バズりしてたぞ

:広辞苑を出してる所が、この配信宣伝してたぞw

:あと、万場も宣伝してくれてた


「え!そうだったんだ。万場先輩ってうちの一期生のだよね。宣伝ありがとうございます。万場先輩同じ男性ライバーとして尊敬してます!それと広辞苑を出してる出版社の方々もありがとうございました!」


:本当にうちの黒斗をよろしくお願いします ¥500

:黒斗も頑張ってるんでみんなみてくださいね

:耐久配信以外も面白いからみてね ¥2000


「それじゃあ次で最後になるかな?凸待ち配信です。ついでに言うと、俺は正直この配信は4時間ぐらいで終わると思ってたから、誰にも話してないから誰も来ずに終わる可能性が高いけど、その時はお前ら慰めてくれよ」


:黒斗が美少女なら慰めるわ

yuki道:本当に誰も来なかったら、私が行くから安心してね

アーちゃん:アタシも行く!

:チッ慰めようと思ってたけど辞めるわ

:くそッ黒斗のクセに


「yuki道ママにアーちゃんありがとう。もしもの時はこっちから連絡入れるね。っと話してたら1人目が来たな。それでは登場してもらいましょう、我が五期生のトップオブトップの登録者が確かこの前120万人を突破した姫花さんです。」

「ザコども姫だよ〜♡」


:うおぉぉぉ!!姫ぇ!!! ¥10000

:好きだ!姫 ¥5000

:姫!姫!姫! ¥3000

:姫最高! ¥5000


姫花さんが画面に出た瞬間、俺のコメント欄はそのほとんどが高額スパチャで埋め尽くされた。


今までですらスパチャの量に驚いていたが、今はそのほとんどが高額でそれもそれが俺宛で無いのに、俺の元に入る事を考えると、額から嫌な汗がスゥーっと流れ落ちた。


「おいおいここは俺のチャンネルだぞ。姫花さんにスパチャしたいなら、姫花さんのチャンネルでスパチャしてこい!」

「そんなの気にしなくてもいいわよ黒斗。姫自分のチャンネルでもっといっぱい貰ってるし、もしそれでももらいにくと思うなら、これはこの前のお寿司の件と思ってもらっといてね♡」


お寿司の件とは俺が炎上する羽目になったことか、それとも急にうちに食べに来ることになった件か、それともケミーとゲームをし過ぎて家に泊まることになったことになったことか、どれだかわからなかったけど、そう言ってもらえるならこのお金は俺のポケットに入れておくことにしよう。


「それじゃあ来てもらって早速ですが、いくつかの質問に答えてもらいますがよろしいですか?」

「どんな質問が来ても即答してあげるわよ♡」

「はい、ありがとうございます。それじゃあ1つ目の質問ですが、正直な俺の印象を答えてくださると嬉しいです」

「黒斗の?そうね……苦労人?」

「苦労人ですか?」

「だってそうでしょ?いっつも配信が終わったら反省会みたいのやってるし、それに毎回姫やフユキちゃんの配信にも顔出すし、この前家に行った時にはすごい数のネタ帳あったし、もっと気楽にやった方がいいんじゃ無いの?」


:そういや黒斗って自分が配信中でも、同期の配信見てるよな

:反省会とかやってるの?

:あと、コラボ相手にはいっつも謙って話してるよな


正直自分が苦労人という事に全くもってピンとは来ていないが、事実がどうアレそう見えるのならそこは改善しなければならない、と一人心の中で反省をした。


「そうだったんですね。それでは次の質問ですが、無難ですが好きな食べ物を聞きたいですね」


その後も何度か姫花さんに質問をしてゆき、時間的にも次が最後の質問になった。


「それでは次が最後の質問ですが、姫花さんの尊敬するvtuberとは誰でしょうか?」

「姫の尊敬するvtuber?って言われても姫あんまりvtuber詳しく無いんだよね♡」

「それでは今まで何度もコラボを経験した中で姫花さんが、助けられたなって思った人や、単純に好きなvtuberさんなどでもいいんじゃ無いでしょうか」

「助けられた……それなら黒斗あなたね!」

「俺ですか?」


正直今自分の名前が上がると思っても見なかったので、姫花さんの答えに素で驚いて少し声が裏返ってしまった。


「な、何故ですか?正直俺が、姫花さんに尊敬されるような事をやった覚えがないんですが……」

「そうなの?でも姫がよく先輩達とコラボするのって、黒斗がそうしたら伸びるって言ってくれたおかげだよ?それにちょくちょく姫がやらかしそうになった時、どうにかしようと動いてくれてるよね?」

「それは……まぁ、でもそれって普通のことじゃ無いですか?それに俺がいちいち言わなくても、姫花さんならどうやったって人気になっていたと思いますし、初めにちょろっと言っただけで、ほぼほぼ姫花さんの実力だけで、そこまで昇り詰めたのを後から実は俺がなんて言いたく無いですし、それに同期がやらかしそうになってたらどうにかしようとすることなんで、それこそ当たり前ですよ。」

「でも姫的には、その普通の事が普通に出来るのがすごいと思うんだけど?ザコのみんなはどう思う?」


:普通に凄い ¥1000

:姫の配信スタイル決めたのって黒斗だったのかよw

:よくわからんけど、自分の配信のことをやりながら周りをフォローできるのは凄いと思う

:普通って何だっけ?


「ほら、ザコのみんなもすごいって言ってるよ」

「えっと……なんかありがとうございます。」

「気にしないで大丈夫よ。けど黒斗これで質問は全部なの?」

「え、まぁ一応はこれで全部ですが、何か質問されたいことなどありましたか?」

「質問されたい事とかじゃ無いけど、こういう凸待ちの時って、パンツの色とか聞くものじゃ無いの?」

「はい、姫花さん本日は来てくださってありがとうございました。それではまた」


俺はそう言うと、姫花さんを通話から無理やり追い出した。


「あっっっぷねぇ!燃やされる所だったわ」


:おいそこは男なら聞けよ ¥500

:今からでも通話かけて、パンツの色聞いてこい ¥5000

:早く通話に戻れ ¥100

:パンツの色聞いてこい!


「聞けるか!アレは女の子同士だからギリギリ許される事で、これを男がやったら普通にセクハラで訴えられたら負けるんだぞ?お前ら分かってんのか?ならお前らの仲がいい女子にパンツの色聞けるのか?ってなったら聞けないだろ?」


:そもそも仲のいい女子がいない俺……

:まぁそれは聞けないわなw

:急に刺されたんだが?

:何で仲のいい女子がいる前提で話してんの?

:はぁー女子と仲がいいマウントですか


「お前ら鬱陶しいな!」


その後は配信中のフユキさんが少しだけ凸しに来てくれたり、Prin'Sのメンバーの1人が凸してきて早々パンツの柄だけ言って、帰ると言う珍事があったが、順調に配信は進んで行き10万人まであと100人に迫り、そろそろ凸待ちを終了しようかと考えていた時に、多分最後になるであろう凸者がやって来た。


「Prin'Sって確かアイドルグループだよな?パンツとか言ってもいいの?」


:まぁアイドルグループって言ってもクラウンと同じ事務所所属って時点で……

:流石にびっくりしたw

:通話に入って来た瞬間に「黒のトランクス」って言って帰っていったもんなw


「マジでびっくりしたよな、って10万人まであと100人切ったぞ!」


:意外と早かったな

:配信開始が昼の12時で今が21時だから、もう9時間もやってたのか

:普通なら長いんだけど、黒斗基準で考えると短く感じるなw


「お!そんな話をしてたら凸者が来てたから紹介するぞ。我らがクラウン始まりの一期生にして、男性vtuberトップの万場先輩です。どうぞ」

「はい、紹介に預かりました自分はクラウン一期生の万場ですぅ。よろしゅうな」

「確か初めましてですよね万場さん」

「そやそや、けど自分はずぅっとアンさんのこと見とっで」

「そうなんですか?」

「当たり前やろ。なんせクラウンに入って来た数少ない男性ライバー何やから、気にかけるのも当然やろ」

「そうだったんですね。……それより万場先輩」

「なんや?」

「何なんですかさっきから、そのエセ関西弁は?コメント欄のみんなが気持ち悪がってますよ」

「え、マジで?」


:あ"ーなんかむず痒い!

:ここまでこってこてなエセ関西弁は流石に草

:誰?

:万場って確か配信で北海道出身って言ってたよな?

:どうした万場?


「本当だ。えっとじゃあ改めて、クラウン一期生の万場です。よろしく」

「はい、よろしくお願いします。と言いたい所なんですが、今10万人突破しましたので、配信を終了したいと思います」

「え?」

「それでは皆様9時間も俺の配信に付き合ってくれてありがとございました!また明日」


:お疲れ様 ¥1000

:10万人突破おめでとう ¥10000

:乙 ¥3000

:楽しかった ¥500


そう言ってエンディングを流し始めると、万場先輩が終わりの空気をぶち壊して止めて来た。


「いやいやいやいや、ちょっと待てぇぇ!」

「どうかしましたか?万場先輩」

「いや何終わろうとしてんの?」

「え?だってこの配信10万人耐久配信ですし、何より俺晩御飯まだ食べてないので」

「いや、だとしても自分これでもクラウンの一期生よ?君の先輩よ?」

「それはもちろん知ってますよ。俺万場先輩の事尊敬してますから。」

「なら何で今配信閉じようとしたの?」

「え?だって先輩って不憫キャラでやってますよね?」


:草

:黒斗しっかり勉強してて偉い

:今回は万場の来るタイミングが悪かったからな


「まぁ自分は、どちらかと言うと運は悪い方だけどなぁ」

「ですよね」

「ですよねって、君ねぇ……まぁいいか、今回自分がここに君を勧誘しに来たんだ。」

「え?10万人のお祝いじゃなくてですか?」


少し泣き真似をしながら俺がそう言うと、万場先輩は少し動揺しながらも訂正して話を進めた。


「おほん。それじゃあ改めてだけど君を我ら男魂集に招待しよう」

「男魂集ですか、何ですかそれ?」

「フフフ、よくぞ聞いてくれた、それはだな!」


:クラウンに所属してる男性ライバーグループってだけ

:名前ダサく無い?

:弾痕臭?


「あ、今コメントで書いてあったので大丈夫です」

「……そう?」

「はい、大丈夫です。それより気になるんですけど、その男魂集ってグループのメンバーって万場先輩を入れても、まだ2人しかいませんよね?」

「……まぁ」

「それと勧誘って言いましたけど、この男魂集って普段何やってるんですか?」

「いや、それは……まだ何も」

「なるほど。そうですか、最後の質問なんですけど俺がそのグループに入って何かメリットありますか?」

「…………くそッ!覚えてろよ!」


そんな三下ムーブをしながら万場先輩は、通話を出ていった。


「いやー、結局男魂集って何だったんだろう?」


:さぁ?

:よくわからんけど、結成は1年前なんだよな

:俺的にはその深夜のノリでできたグループがまだあった事に驚きだわw


「じゃあ当初の予定通り10万人達成したから、案件の宣伝して終わるか」


そう言いながら俺は、手元のスマホから万場先輩にたとえ演技だとしても、失礼な事を言ったのを謝罪しながら、謎の組織男魂集に入りたい事を書いたメッセージを万場先輩に送ると、直ぐにokと書かれたスタンプが返された事に安堵しながら、案件でやるゲームのパッケージを配信画面に載せた。


「はい、という訳で遅くなりしたが、俺の初案件は暗黒魂って言うの鬼畜ゲーの第三作目です!」


:おお!

:また耐久配信かw

:アレやるんだ


「はい、みなさんご存知の鬼畜ゲーですが、案件をいただいた身で言うのも何ですが、実は俺このゲーム一回もやった事ないんですよね。じゃあどうやって案件貰ったんだってなりますよね?」


:まぁそら気になるわな

:さっさと教えろください

:向こうの会社が黒斗の配信見てたとか?


「実はうちの自称有能マネージャーが、何度もお願いして勝ち取ったらしいんだけど、その経緯ってのが俺がマネージャーからおススメされたゲームをやるやる詐欺してたら、案件なら断れないだろうって魂胆で今回の案件取ってきたらしい。……バカじゃねぇの?」


:草

:自称有能マネージャー本当に有能で草

:やるやる詐欺してた黒斗が悪い

:自分が進めたゲームをやってもらうために仕事取ってくるのはヤバいw


「と言うわけだから今度やる案件配信はお前らの大好きな鬼畜ゲーだから、見にこいよじゃあまた明日」


:乙

:お疲れ様

:案件頑張れよw



配信を終えパソコンの電源を落とし晩御飯を食べにリビングに行くと、配信が終わったのを確認していた母さんが俺の晩御飯を温め直していた。


「母さんありがとう続きは俺がやるよ」


自分のご飯を温め直すぐらい自分でやるといいなが、台所に向かうと何やら母さんが俺の事を見て酷く驚いていた。


「ん?どうかした?」

「アンタこそどうしたのそんなにびしょ濡れで」


そう言われて自分の服を触ると、雨にでも振られたかと勘違いするほどに、俺は全身汗でびしょ濡れになっていた。


母さんからご飯はやっておくからお風呂に入って来なさいと言われ、濡れた服を少し絞ってから洗濯カゴに入れ風呂に入ると、先程までやっていた長時間配信、特に今回は色々な試みをしたりただでさえ気を使うコラボを何度もやったりとで、溜まった疲れが汗と共に何処へ流れ落ちた。


お風呂を出た後は、母さんが温めてくれた料理を食べて、その後はすぐに部屋に戻ると今日の配信の反省をやらないといけないのに、どうしてもやる気が出ずベッドの方に倒れ込み、そのまま瞼を閉じ眠りについた。




後日確認した事だが、10万人耐久配信の総スパチャ額はゆうに三桁万円を超えていたとかいないとか……。

【★読者の皆様へ お願いがあります】

作者のなべたべたいです。


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よろしくお願いします!

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