番外編 ヘルヘーニルとの過去 前編
「前は何故かエッセンに呼ばれて、結局竜巻の影響でお話出来なくて、今度はちゃんとメーアに招待だなんてどういうことなんでしょう?」
「そうだね…。僕も彼との関係が深い訳ではないから、意図とかそういうものは分からないね」
ソフィアはアルド共に、ヘルヘーニルから招待を受けメーアへと向かっていた。
ヘルヘーニルからの要求に不思議に思うものの、特に悪い方向で疑うことはない。
だから、この後大きな事件に巻き込まれるなんて誰も思うはずがなかった。
メーアに着いてからというもの、到着したその日は同じ場所で食事を楽しんだだけ。
大事な話がある様子も見受けられなかったのだ。
それから次の日に、わりと朝早くから呼ばれてヘルヘーニルの元へと向かったが、すぐにアルドを連れてどこかへいってしまった。
(私はどう過ごせば良いのかな?)
ソフィアはこの状況に疑問しか浮かばない。
二人共招待されたのにも関わらず、まさか部屋で放置されるなんて。
机の上には美味しそうなお菓子がたくさん置いてあるけれど、一人で食べるなんて寂しくて味がしそうにない。
少ししてヘルヘーニルだけが戻って来た。
「お帰りなさい…?アルド殿下はどちらに?」
「彼との話しはまだ終わってないんだ。長くなりそうだからソフィアが退屈になると思って、それで海に行くのをお勧めしに来たんだ」
ソフィアはアルドとは話が終わっていないという言葉を、疑う気持ちは一切ない。
「そうなんですね。でしたら海に行きたいです!」
「分かった。じゃあ馬車を用意するよ」
促されるまま、馬車に乗って海に向かった。
着いてから、トイフェリンたちが来たのには驚いたが不思議には思わず、そして再びヘルヘーニルの提案に従って景色の良いという場所へ。
何者かに襲われ、海に飛び込んで気を失い、目が覚めた。
ソフィアはベッドに横たわっている。
身体を起こすと、自分が昨夜過ごした客室とは違う、別の豪華な部屋だった。
(トイフェリン様たちはどこに?)
ベッドから降り、周囲を見渡すと自分の為に用意されたような、黄緑と桃色の家具で揃えられている。
それに、服も着替えられていて、髪も乾いている。
(なんか変だわ…)
さすがにソフィアもここまできたら不思議に思い始めた。
今まであったことを思い返し、手がかりがないか考えてみる。
「私とアルド殿下を呼んでいるのに、ひたすら私を一人にしようとしているような?ヘルヘーニル殿下は私とお話ししたいのかなぁ?でもそれはちょっと自意識過剰だよね…」
広すぎて落ち着かず、部屋をうろうろと動き回るも、あることに気づく。
身体か痛い。
海に飛び込んだのだから当たり前なのだが、起きてからの情報量が多すぎて気づかなかった。
(うぅ…意識しだすと余計に痛く感じる…)
ソフィアはゆっくりと近くの椅子へと座った。
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