第85話 最後の戦いは一丸となって
「メーアにも同じく聖女様は存在すると思うのですが、今から探す訳にはいかないですね」
エーデルとメーアは隣なだけあり、聖女信仰文化の内容は同じだ。
同じ方法で加護を求めている。
それならメーアにも聖女が居てもおかしくはない。
過去に聖女が存在したかどうかは、その国の資料を読まなければ分からないが、エーデルは存在していたと記述があったのを見たことがある。
「皇宮に行ってとりあえず人員を集めよう」
「そうだな。ここから皇宮までの道は少し荒れている。足元には気をつけてくれ」
「分かりました」
三人は急いで皇宮へ向かうことにした。
その道中で街の人たちの不安の声などが多く聞こえて、避難しようとしている人も見かけた。
今は国中、混乱に陥っているだろう。
訓練場から皇宮までの道のりは近く、すぐに到着したが皇宮の周りはメーアの騎士たちが慌ただしく動いている。
「何をしている」
ヴァイゼが近くに居た騎士を呼び止めた。
「ヘルヘーニル殿下からはソフィア様の護衛を任されていたのですが、急に空が黒くなり出して何があったのかと大騒ぎに…」
「これはヘルヘーニルの魔法が起こしたものだ。止める為に人員を集めてくれ」
「承知致しました!」
騎士は動揺しながらも今の状況を説明し、ヴァイゼの要求に反発することなく受け入れていた。
「騎士の方たちには計画のことを話していらっしゃらないのでしょうか?」
「どうやらそのようだな」
騎士たちが準備をしている中、皇宮から二人出てきた。
「ソフィア様!アルドリック殿下!良かった…ご無事だったのですね」
トイフェリンは二人の姿を見て安堵する。
アルドは少し怪我をしたり、服が汚れているだけで命に別状はなさそうだ。
「皇宮の中で混乱が起きて見張りが居なくなった後、ソフィアが来てくれて外に出られたんだ。まさか外がこんなことになっていたなんて…」
「先ほどのお話し聞こえていました!ヘルヘーニル殿下が起こしたこと何ですよね?」
「そうです」
「私の責任もあります。なので私も一緒に連れて行って下さい!」
ソフィアの言葉を聞いて、トイフェリンはヴァイゼの方へと目を向けた。
ヴァイゼはそれに対して頷いている。
「ありがとうございます!」
「ソフィアのことは僕が守るよ」
そろそろ準備も整ったところで、向かおうとした時。皇宮の前に一台の馬車がやって来た。
(あの馬車は…!)
エッセンの皇室の馬車、ということは―
「ギリギリ間に合ったかな?」
扉が開かれて出てきたのは勿論ティーフだ。
これでメーアに全国の皇太子が揃った。
「これはメーアだけじゃなく、大陸全体の一大事だからね。それに俺も関係者だし?」
「ありがとうございます。ティーフ殿下」
「感謝されるようなことじゃないよ。これで二人に借りが返せてるといいんだけど」
トイフェリンの言葉に、ティーフは半笑いで答えた。
「準備は出来たな。では行くぞ!」
ヴァイゼの叫びで四ヵ国の国が一丸となって、ヘルヘーニルを止める為に動き出した。
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