第8話 皇宮へ戻る
起床し準備を終えたトイフェリンは皇宮に帰る為、馬車に乗り込む。
「いってらっしゃい!またいつでも帰っておいで」
「はい!またすぐ帰ってきます。いってきます!」
家族に見送られて出発する。
今日は皇太子と話すことに緊張していたが、朝が早かったからか馬車の中で眠ってしまった。
「お嬢様ー、起きてくださーい」
リナに声をかけられ目が覚めたら、もう皇宮に着いていた。
(結構寝てしまった…)
アメテュスト家から皇宮までは大体一時間くらいだ。
そして馬車を降り皇宮に入って行った。
一度自室に戻り、服を着替える。皇太子と会うのに軽い服装で行くわけにはいかない。
きちんとした服を着て、執務室の前で立ち止まり、扉の前に立っている騎士に声をかける。
「殿下にお話ししたいことがあって来ました」
それを聞いた騎士は返事をして、中に入って行く。
扉が開くと騎士と執事のトロイエが出てきた。
トロイエは主人である皇太子にとても忠実な人だ。それから皇宮では愛称で『ロイ』と呼ばれることが多く、彼を慕う使用人もたくさんいる。
「トイフェリン様お帰りなさい。殿下は今席を立たれていて居りませんが、すぐ戻って来るので中でお待ちください」
「そうなんですね。分かりました、ありがとうございます」
中に入り椅子に腰を下ろす。
執務室に入ったことでより緊張感が増していく。
(とても緊張してきてしまった…。私はちゃんと話せるでしょうか?絶対驚かせて困らせてしまうけれど、頑張るしかない…)
トイフェリンは両手に顔を埋め、緊張で唸ってしまう。
円満に婚約を破棄しなければ皇太子が糾弾されてしまう。例えここで婚約破棄の答えが出なくても、視野にさえいれてくれればそれでいい。
前から婚約破棄の話が出ていたと、国民に説明することが出来る。
建国祭が始まって変わることもあるだろう。
そこで扉を叩く音が聞こえ、顔を上げる。
(殿下が来られたのですね…!)
どんどん心臓の音がうるさくなっていく。
扉が開かれ、皇太子が姿を見せる。
読んで頂きありがとうございました!
次回はようやく皇太子の登場です!




