第64話 畑のお手伝い
畑の方へと着いたトイフェリンは、作業に取り掛かっていく。
食べれる小麦を選別したり、畑を耕したりとお嬢様がするようなことではないが、この国の為にも今はそんなことを考えていられる余裕はない。
滞在期間を延ばしたとはいえ、残されている時間は多くない。時間を有意義に使っていかなければ。
(エーデルの二人はどうされるのでしょう?ティーフ殿下が説明をして場所を決められると思うのですが)
正直、エーデルは鉱山から宝石を掘るのも加工するのも手作業だし、ヴァイゼを手伝えるとは思えない。
となるとアルドはティーフと同じ街の修復を手伝うはずだ。
ソフィアは機械も分からないだろうし、力仕事も出来ない。それなら、畑の方へ来るのではないだろうか。
新しい肥料を思いつくのだって、聖女であるソフィアだから。
そんな予想は勿論当たって。
「トイフェリン様!!私もこちらのお手伝いに来ました!」
馬車から降りてきたソフィアは、笑顔でトイフェリンの元へと走って来た。
「そうなのですね。よろしくお願い致します」
「お願いします!一緒に頑張りましょう!!」
小麦の選別を手伝ってもらい、さっきよりも作業が淡々と進んで行き、獲れた小麦すべてを選別し終えた。
その中で食用に使える量はいつもの半分にまで減ってしまっていた。
今から再度土を耕し直し植えるとしたら、来年収穫するまでに全ての小麦が尽きてしまう。だからこそ、今よりも早く育たせる為に新しい肥料が必要なのだ。
「ソフィア様はどんな肥料が使えると思いますか?」
「そうですね~?小麦を育てる土の酸性を中和させる為に石灰を撒いているんですよね?そして土に栄養分を与える為に広葉樹の葉などの肥料が使われていると」
トイフェリンがこれまでに調べたことを簡潔に分かりやすく伝えただけなのに、ソフィアはすらすらと述べていく。
「でしたら作ってしまえばいいんじゃないですか?石灰などのように化学的に加工して作ればいいんですよ!」
それは確かに新しい肥料だ。『見つける』のではなく『作る』のだから。すでにあるものが肥料になるという固定概念に囚われていては思いつかないのも当然だ。
「原料には窒素やリン鉱石、カリウム鉱石とかを使うのはどうでしょう?!」
「とても良い考えだと思います。今日の作業を終えたらティーフ殿下に相談してみましょう」
「ありがとうございます!!」
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