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悪役令嬢のはずですが、悪役じゃないのは何故ですか?  作者: 希空 蒼
第3章 マラカイト

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第52話 ティーフの目的

 二人は馬車に戻り、城に帰りながらトイフェリンはティーフに会ったことを話していた。


「そういうことがあって会場に戻って来ることが出来たのです」

「なるほど…あいつが」


 ヴァイゼはティーフが変装して来ることを少しは予想していたようで、話を聞いてもあまり驚いた様子はなかった。


 トイフェリンはあったことをあるがまま素直に、ティーフの目的だったりを罪悪感を抱えながらヴァイゼに伝えたがヴァイゼ曰く、他にも目的があった可能性があるとのこと。


「フェリンと話がしたいが為に変装をしてきただけでは理由が足りない」

「他にどんな理由があるとお考え何ですか?」

「あいつがフェリンに道を教え見送った後、会場に戻って来ていたか?」

「そういえばお見かけしていません!」


 トイフェリンはヴァイゼの言葉で思い出した。自分と話す為にティーフはついてきたはずなのに一緒に戻りはしなかった。それについては、婚約者の居る自分が他の男性と二人きりで戻るのが良くないことだからだと、そう思い込んでいた。


 それから会場に戻って来なかったのは何故か。あの後ティーフは何処へ向かったのか、トイフェリンは知らない。


「ティーフ殿下はアオスの皇宮に入ったことはありますか?」

「無いはずだ。父上も公務はしているが、他国との外交は俺の仕事で基本訪問してきた時は城に通しているからな」


 となれば、トイフェリンが道を聞いてすぐに答えられたのは怪しい。それにティーフはトイフェリンに対して何でここまで来れたのかを聞いていた。自分はトイフェリンについてきただけだ、という言葉まで添えて。


 それは道が分からないのに辿り着けたことへの単純な疑問ともとれるが、あの場所には他に何か別の部屋があったのではないだろうか。


(ティーフ殿下はあの近くにあった部屋に用があったのでしょうか?)


「フェリンが向かったあの場所のすぐ近くには、アオスに関する資料が保管されている部屋がある。そこに行くまで道が分かりづらいように建てられていて、初めて皇宮を訪れた者はほとんど辿り着けない」


 一人で考えているトイフェリンの気持ちを、いつも通り察してヴァイゼは話してくれた。


「そうなのですか?!では、私はたまたまその近くまで行けてしまったのですね」

「そういうことだ」


 それならばティーフの言った言葉の本当の意味が分かる。ティーフはてっきりトイフェリンが資料室までの道を知って辿り着いたと始めは思っていたが、実は知らなかったということを知って驚いたのだろう。


 トイフェリンの考えはこうだ。ティーフの目的はトイフェリンと話すことと、資料室へ行くこと。それで席を外したトイフェリンについて行ったら、もう一つの目的の資料室に辿り着けてしまった。その後、トイフェリンを見送り資料室に潜入した。


「もしかして私がティーフ殿下を資料室に導いてしまったのでしょうか…」


 道に迷って返って案内してしまったのではないかと、トイフェリンは不安な気持ちになる。


「それはないから大丈夫だ。あいつは初めから道を知っていたはずだ。皇宮に諜報員を送り道を覚えさせるとはいい度胸だな」

「諜報員ですか?」

「あいつは皇宮に務めている者にしか分からないことを知っていた。資料室の管理をしている者の髪色は黒だ」

「え?!」

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