第51話 無事に戻れたその後には
ティーフの教えてもらった通りに進んで行き、会場へと戻って来ることが出来た。
人で溢れている中、ヴァイゼをすぐに見つけ人にぶつからないように気をつけながら急いで向かう。
「はぁ…っただいま戻りました!」
トイフェリンは息を切らしながらヴァイゼに話しかけた。ヴァイゼは声を聞いてすぐに振り返り、姿を見て安心した様子だった。
「…良かった。もうすぐで皇室の騎士を動かす所だった」
「ご心配をお掛けしてごめんなさい」
「無事で何よりだ。どうやって戻って来た?」
「それは後で詳しくお話ししますね」
ヴァイゼのおかげでトイフェリンが迷子になっていたことは大事になっておらず、知っている者もほとんどいない。
出席した人たちにとって今回のパーティーは、何事もなかっためでたく楽しいパーティーとなっただろう。
夕方頃から始まっていたパーティーはもうお開きとなり、外は真っ暗で満月の月明かりが道を照らしていた。
城に帰ろうと外に出てきたトイフェリンは、その満月に気づく。
「ヴァイ殿下!今日はこんなにも月が綺麗だったのですね!」
「母上が満月に合わせてパーティーを開いたんだ。フェリンへのサプライズだからと、黙っているように言われていた」
「そうだったのですね!」
本来まだ日が落ちていない夕方から会場に入ることはしないのに、今回は夕方からだと聞いて不思議に思っていた。
この会場のある皇宮の周りには大きな建物が無い為、日が落ちる前に会場に入らなければ外から月が見えてしまうからだったということに気づく。
自分がパーティーの準備を担当していたはずなのに、裏でそんな計画が立てられ進んでいたなんてつゆ知らず、細かく時間を計算して月が一番綺麗に見えるようにしてくれたことを嬉しく思う。
(あれからバタバタしていて両陛下には会えていないですし、このサプライズを用意してくれたことへの感謝を伝えに行かないと)
そんなトイフェリンの気持ちを見越してか、ヴァイゼは両親のことを話始めた。
「フェリンが会いたいと言えば、すぐにでも両親は会う時間を作ってくれる。今日会えないことを凄く悔んでいたしな」
両陛下は結婚式やそのお披露目には出席出来るが、婚約パーティーに出席することは出来ない。
婚約パーティーはあくまでも貴族たちに婚約したことを伝える場だからだ。
「ではますます会いに行かないとですね」
「そうだな。それにお互いの選んだ服を着た二人も見たいと言っていたから、この服装で行かないとな」
「もう一度このドレスが着れるのですね!せっかく選んで頂いたのに、一度しか着れないのは悲しかったので嬉しいです!」
「俺も同じことを思っていた」
満月の下で二人は、嬉しさと愛おしさに笑顔を輝かせていた。
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