第46話 エッセンで起こるイベント
あれから数週間が経ち、今の生活にも慣れてきた頃。
そろそろ物語が進みエッセンで起こるイベントについて話し合おうと、トイフェリンはヴァイゼの居る執務室に向かっている所だった。
前まで来て扉をノックしようとしたら、急に扉が開きヴァイゼが出てきてぶつかりそうになる。
「わっ!ヴ、ヴァイ殿下…!」
「!丁度良かった。今から行こうとしていたんだ」
「そうだったのですね!」
ヴァイゼに誘導されトイフェリンは先に中に入りソファーに座り、ヴァイゼも中へと戻りトイフェリンの横に座った。
「その本を持っているということは次の物語の話か?」
「そうです。もうすぐエッセンで竜巻が発生して食物が駄目になりエッセンに大損害が起き、仕入れているアオスにも届けられる食物の量が減って値段が上がり買いづらくなることで、今よりも平民の方たちが貧困に陥ってしまいます」
「そうか…。それならすぐに政策を考えなければいけないな」
「竜巻の被害も出来る限り抑えないといけないですね」
「そうだな」
この竜巻によってエッセンは被害のあった街の復興をしたり、食物を育て直す必要がある。しかし被害は大きく肥料などが不足しなかなか食物が育たなくなってしまう。
そんな中聖女が今まで肥料として注目されていなかった新たな肥料を提案し、それによって食物はすくすくと育っていき、想定されていた期間よりも短い期間で復興していき費用も抑えることが出来て、エッセンで聖女は称えられるようになる。
本来ならここでトイフェリンがその肥料を燃やしたり隠したりして聖女の邪魔をしてくる。
復興後、エッセンの皇太子に見初められていた聖女は皇太子と婚約し皇太子妃になった。
問題なのがこの竜巻による被害は全て物語では聖女目線であり、エッセンの被害しか書かれていないこと。
アオスやエーデルがどんな被害を被ったのか書かれていないのだ。
だからアオスでは今後の影響を推測し先に策を立てておかなければいけない。
「困ったことになったな…。両親に婚約パーティーはどうしても開かなければならないと言われていて、そこには他国の貴族も来る。今回のことをそれとなく伝えるには良い機会だが、パーティーの準備に時間を取られ政策が遅れてしまいそうだ」
「パーティーですか?!」
皇太子が婚約したらパーティーを開くことをすっかり忘れていた。トイフェリンも一度経験したがパーティーのほとんどは、貴族たちからの挨拶とお祝いの言葉に時間取られる。
今回のことを伝えるには時間が少し足りないかもしれない。
「ヴァイ殿下は大丈夫ですか?今まで避けていたのに…」
「行きたくないが、フェリンと婚約するためには仕方のないことだ。それにフェリンと一緒なら楽しそうだからな」
「ええ!?」
ヴァイゼの言葉にトイフェリンは顔を赤らめて、照れてしまう。
それを見たヴァイゼは笑っていた。
「ふっ…」
「あまりからかわないで下さい!とても恥ずかしいんです…!」
「悪い。可愛くて、つい」
トイフェリンは赤くなった頬を手で押さえ、むっとした顔でヴァイゼを見つめていた。
(でも殿下が笑っているのを見ると嬉しくて何も言えなくなってしまいます…)
「とりあえずパーティーまでの一週間の間は、その準備と政策を平行して進めていこう」
「分かりました」
今回からはヴァイゼと『二人で』考えていく。
そして二人は早速準備に取り掛かっていた。
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