番外編 アクストのこっちの話 後編
そして、その機会はやって来た。
令嬢が怪我をしてヴァイゼの城に来た時だった。
「この間言っていた令嬢が怪我をしたんだ。色々手配を頼む」
「お!これは令嬢に会えるチャンスか?」
「詳しいことは後で話す」
「分かったよ」
ヴァイゼに頼まれ医者の手配などをし、ヴァイゼの居る元へ向かった。
まだ令嬢は来ていなかったが、会えることが楽しみで仕方がない。
(本当にどんな令嬢なんだろうな。城にまで連れてくるとは…)
手当を終えた令嬢が部屋に戻って来て少し会話をし、ヴァイゼに聞きたいことがたくさんあったアクストだったが令嬢が帰った後、教会付近で起きたことを処理する必要がありヴァイゼと話すことが出来なかった。
片付いた時には時刻は深夜を回っており、ヴァイゼはまだ公務をしているがこのまま一緒に公務をしようとすると、ヴァイゼに止められると予想し今夜は寝て起きた時に聞くことにした。
朝になり早速ヴァイゼの居る執務室へと向かい、ヴァイゼに話しかける。
「ヴァイはああいう子がタイプなんだな」
「起きて最初の一声がそれか」
ヴァイゼは呆れたようにアクストの方を見上げた。
徹夜で公務をしていた割には全然疲れが見えない。
「昨日からずっと話したくて仕方がなかったんだ。なんせ彼女はこの国の令嬢じゃないだろ?」
「エーデルの侯爵令嬢だからな」
ヴァイゼに就いているだけあって令嬢の顔を見ただけでアオスの令嬢ではないことはすぐに分かっていた。
「エーデルの侯爵令嬢であの見た目ってことはトイフェリン嬢?」
「そうだ」
「隣国の令嬢なのにどうやって出会ったんだよ。そんな仲になるほど頻繁に会えるものなのか?」
アクストはこれまで何があったのか、詳しいことまで細かくヴァイゼに聞き迫った。
ヴァイゼは公務をこなしながら嫌な顔をすることなく、真面目に答えてくれていた。
「すぐに人を信用するなんてヴァイらしくないな」
「彼女のことはエーデルの皇太子の婚約者だった時点である程度は調べていたからな」
「確かにそうか…。まあ二人が上手く行くことを一番に願ってるよ」
(ようやくヴァイにも想い人が出来たことだし、俺も相手探そうかなー)
そんなことを考えながら色々聞くことが出来て満足したアクストは仕事に戻った。
それから少しして求婚をすることを一番に知ったアクストは、その当日城で結果を楽しみに待っていた。
結果は後日になることを知った時は仕方ないと思いつつも少し残念だったが、婚約が決定した時には嬉しくて大喜びだった。
その後、約一週間分の公務をこなさなければいけないことを知らずに。
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