第42話 悪化したシュヴェアのシスコン
食事を終え、ヴァイゼは両親から話がしたいと呼ばれ客室へと向かって行った為、トイフェリンは自室に戻っていた。
(お兄様……)
シュヴェアのシスコンを甘く見ていたようだ。あそこまで寂しがられるとアオスに戻る時には、もっと深刻化しているかもしれない。
数日に一回会っていた時は寂しそうな顔をしても取乱すことはなかった。それが手紙を二日も待てないとなると困ったものだ。
婚約破棄をしてすぐアオスへと向かい、一ヶ月程全く会わなかったことで久しぶりに顔を見ると離れ難くなってしまったようだ。
(一度お兄様と二人で話さないと)
トイフェリンは自室を出てシュヴェアの部屋へと足を運んだ。
部屋はすぐ近くの為、あっという間に着き扉の前で声をかける。
「お兄様、入っても良いですか?」
そう声をかけると扉が開き、中からシュヴェアが出てきた。
「来ると思って待ってたよ」
シュヴェアの部屋に入るのは久しぶりだが、相変わらずこの部屋は慣れないし落ち着かない。
何故なら、部屋にトイフェリンの目と髪の色である紫のものが多いからだ。
(前よりも増えているような?)
部屋の中のソファに隣り合って座り、お互いの方へと体を向ける。
「フェリンには話したいことがたくさんある。その前に一番聞きたいことがあって、どうして婚約の話を持ち掛けられた時相談してくれなかったんだ?」
「それは相談すると四日以上は待たせることになります。それに何よりも、私自身が決めることだからです。誰かに言われたから婚約する、婚約しないという判断では、そこに私の気持ちは含まれていません。それでは相手に対して失礼に当たると思います」
「それもそうだな…」
寂し気な顔をしながらも頷いて、トイフェリンの話に納得していた。
「フェリン」
「はい」
「あいつのことが本気で好きなのか?」
シュヴェアはトイフェリンの目を真っ直ぐに真剣な目で見つめ問い掛けてきた。
だからトイフェリンも目を合わせ答える。
「私はヴァイ殿下のことが好きです。この先何があっても変わることはありません」
「…分かった」
「お兄様、今度こそ大丈夫です!いつもヴァイ殿下には助けてもらって気を遣ってもらってばかりですし、アルドリック殿下には何かをすることも出来ませんでした。だからこそ私はこれまで出来なかった分も含めて、この先もっとちゃんと良い関係を築けるように頑張って絶対にお兄様を安心させます!」
「フェリンがずっと隣に居てくれないと安心できない」
「お兄様?」
「冗談だよ。今度こそ幸せになるんだよ」
「はい!約束します」
冗談とは思えないが、冗談だと言ったシュヴェアの顔からは寂しさは感じられず笑っていた。
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