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悪役令嬢のはずですが、悪役じゃないのは何故ですか?  作者: 希空 蒼
第2章 パパラチアサファイヤ

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第41話 トイフェリンの実家に挨拶

 トイフェリンの実家に向かう日が決まり準備を終え、今回は婚約したのもありヴァイゼと二人きりで馬車に乗っていた。


 実家に着くまでの三日間、宿に泊まることがあったがヴァイゼの配慮により、二人が同じ部屋を使うことはなかった。


 ヴァイゼが六日以上城を空けアオスから出る為、約六日分の公務をこなしていて忙しくても必ず二人の時間を作ってくれていて、ちゃんと寝れているのか心配になり馬車での移動中にヴァイゼには休むようにお願いしていた。

 その間、トイフェリンの頭の中は久しぶりに皆に会える嬉しさと不安でいっぱいになっていた。


 三日が経ち着いた頃、両親が出迎えてくれる。しかしそこにシュヴェアの姿はない。


「「フェリン、おかえりなさい」」

「ただいま戻りました」

「ヴァイゼ殿下、遠い隣国まで足を運んで頂き誠に感謝致します」

「それじゃあ二人とも、疲れたでしょう?中でゆっくり休んで」

「では行きましょう、ヴァイ殿下」

「そうだな」


 これからトイフェリンの家族とヴァイゼで一緒に食事を取る。

 その席にはシュヴェアもいるだろう。

 

 少し客間で休んだ後、ダイニングの前まで来ていた。


(お兄様はどのくらい不機嫌になっているかな…)


 トイフェリンは恐る恐る扉を開けた。


 いつもトイフェリンの隣に座っているのだが、今回はヴァイゼが横に座る為、前の席にシュヴェアは座っていた。


 二人も椅子に座り、トイフェリンはすぐにシュヴェアに話しかけた。


「お兄様、ただいま戻りました」

「…おかえり」


 その一言を聞いただけでトイフェリンは悟った。


(お兄様…完全に拗ねていますね)


 シュヴェアをどうしようか悩んでいると両親が席に着き、父が話を切り出した。


「この度はヴァイゼ殿下、フェリン、婚約おめでとう。建国祭のあった日の近くからフェリンは浮かない顔をしていて、私と妻は心配していたんだが元気なようで安心したよ」

「これから末永くお幸せにね」

「はい!ありがとうございます」

「必ずフェリンを幸せにすると誓います」


 そうヴァイゼが話したところで、ようやくシュヴェアが口を開いた。


「アルドリックもそう言っていたが、結局公務ばかりで全然フェリンとの時間を取らず寂しくさせていたんだ。アオスの皇太子の方が公務も多く忙しいと聞く。それで本当にフェリンとの時間を作り、幸せにすることも出来るのか?!」


 アルドとのことやアオスに行き急に婚約したことで、シュヴェアは更に過保護を加速させてしまったようだ。


「公務は確かに多いかもしれないが、信用できる部下にも仕事を割り振っているし、公務をこなすのは早い方だ。それからどれだけ忙しくしていようとも、フェリンとの時間は作っている」


 それを聞いてシュヴェアはトイフェリンに目を向け、その意思を汲み取ったトイフェリンはヴァイゼの言う通りだと頷いた。


「また身分の高い相手側からの求婚で断れなかったのかと思っていたが、フェリンを見るにそうではないんだな…」


 そう言うシュヴェアの顔は悔しそうにしている。


「ずっとフェリンの意思もあっての婚約と話したでしょう。いつまで拗ねているの?そんなこと言ってただ寂しいだけでしょ!」

「前ほど頻繁に会えなくなるんだ!留学が終わったらずっとここで一緒にいられると思って、フェリンに届いていた縁談の話も全て断ってきたのに、アオスの皇太子と婚約するとは思ってもみなかった!」

「お兄様、手紙を書くからそんなに寂しがらないで」

「手紙が届くまで早くても二日はかかる!!」


 トイフェリンは家族のいつもの光景に嬉しくなった。


「いつもこうなのか?」


 シュヴェアと母が言い合っている中、ヴァイゼはトイフェリンにこっそり耳打ちをした。


「そうです!騒がしかったですか?」

「いいや、こういうのも良いな」 

「それなら良かったです!」

読んで頂きありがとうございました!


フェリンは気づいていませんが、シュヴェアとヴァイゼの二人は公務に関して話している時に、さりげなくアルドをディスっています(笑)

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