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悪役令嬢のはずですが、悪役じゃないのは何故ですか?  作者: 希空 蒼
第2章 パパラチアサファイヤ

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第22話 出口に辿り着く

 準備を終えたヴァイゼが戻って来た。


「何をしている?」


 その時、トイフェリンは顔を手で覆っていた。


「あまり見てはいけないような気がして、目を瞑っているのです」

「そこまでしなくとも、お前なら構わない」


 彼の言葉を不思議に思った彼女は問いかける。


「先ほど会ったばかりの私を、そんな簡単に信じては良くないのではないですか?」

「先に信用したのはそっちの方だ。俺が本当に出口まで送らないかもしれないのに」

「確かにそうでした!」


 正論を言われハッとし、顔から手が離れてしまっていた。


「でも殿下は優しい方だと思っているので、ちゃんと送って下さると思っていますよ」


 今度はヴァイゼの目を見て笑顔を向けた。


「…変わった奴だな」


 そう言った彼の顔は一瞬、微笑んでいた。


(え?!今、笑いませんでしたか?!)


 自分の鼓動が早くなっているのに気づき動揺する。


(そのお顔でその表情は心臓に悪いです!)


 きっとそう考えていた時の彼女の顔は、赤く火照っている。


「どうかしたのか?そろそろ行くぞ」

「大丈夫です!行きましょう!」


 何だか恥ずかしくなって勢いよく椅子から立ち上がり、二人は部屋から離れて行った。


 ヴァイゼは身分を隠すために、黒いマントを身に着けていて髪の色が分かりづらくなっており、目の色も変えていて皇太子と分かる者は居ないだろう。


 二人は出口までの道中で色んな会話をしていた。


 話をしていると時間が経つのもあっという間で、気がつけばもう出口が見えていた。


「着いたぞ」

「本当にありがとうございます!この御恩は必ずまたどこかでお会いした時に返させて下さい!」

「恩返しなど気にしなくていい。それに、またすぐ会えるだろう」

「え?それはどういう…」

「あれはお前の侍女ではないか?」


 ヴァイゼは言葉を遮り、彼女の後ろを指さした。

 それを見たトイフェリンは後ろに振り向く。


「お嬢様ー!!!良かったです!!心配したんですよ!!」

「ごめんね!私がはぐれてしまったから…」

「無事で何よりですー!!」


 リナは涙を流しながら、トイフェリンに抱き着いてきた。


「侍女に会えて良かったな。俺はこれで失礼する」

「はい!本当にここまでありがとうございました!」

「お嬢様を送って頂きありがとうございます!」


 ヴァイゼが見えなくなるまで二人は深く頭を下げたまま、心の中でも深く感謝していた。

読んで頂きありがとうございました!

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