第19話 アオスの街並み
数日はこの家で暮らすにあたって、準備をしたり部屋の場所、使用人たちの名前を覚えたりしていた。
家にも馴れた所で、楽しみにしていたアオスの図書館へと向かう。
いつもは馬車で移動することの方が多いが、ここから図書館まではそう遠くないようでリナと歩いて行くことにした。
街はエーデルよりも少し発展していて、たくさんの人で賑わっており、見ているだけでも楽しい。
「わあ…!凄い…凄いね、リナ!!」
「はい、お嬢様!ここは平民街のようですが、私が住んでいた所と全然違います!!」
「そうなの?!エーデルの中心部くらいに発展しているのに、平民街なのね!」
二人は初めて見る街の風景に驚きを隠せずにいた。
それぐらいアオスの街は凄いということだろう。
アオスはやはり領土が広い分、人も多いことから発達している。
金貨の作り方や建物の作り方、ドレスや装飾品のデザインも幅広く取り扱っている。
それに加え、皇太子がかなり優秀という話も聞いたことが。
同じ皇太子であるアルドも公務をこなしているが、ヴァイゼは公務から他の仕事までしているようだ。
舞踏会などでは他の国の貴族や皇族も来るが、トイフェリンはヴァイゼを見たことがない。
どうやらあまり公の場には出てこないらしい。
そのため、ヴァイゼについては根も葉もない噂が多く存在する。
病弱で外に出られず、別の者に公務をさせているとか、他人に興味がない薄情な人間だとか、冷酷非道な人間という噂など。
しかしトイフェリンは噂なんて信じない性格のため、ヴァイゼには一度会って話してみたい。 本人がどんな人間か全く知らないのに、噂を鵜呑みにして決めつけるのは相手に失礼だと思っているからだ。
物語を読めば性格が分かるかもと思ったが、特にヴァイゼについてはあまり語られておらず、 そもそも物語はソフィア視点で皇太子の感情は大きく書かれていない。
つまり結局は自分で確かめるしかないが、公の場に出ないのであれば遭遇するのも困難だろう。
(ヴァイゼ殿下にどこかでお会いできたらいいな…)
読んで頂きありがとうございました!




